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16.【裸の王様(The Emperor's New Clothes)】

======== この物語はあくまでもフィクションです =========

ここは、『的の国』。

俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。


俺には聞こえる。殺してくれ、と。

どこの次元でも聞こえている。


跳んで来たのは、刑務所。拘置所ではない。

私の部屋には、もう1人いた。

「誰ですか?」

「私は、大曲と言います。不思議なデモを見ていたら、ここに放り込まれました。デモをしていた連中が捕まったので、同類だと思われたのかも知れない。」

「可哀想に。私は、宮前と言います。私と違って巻き添えだ。私は、ビールスの秘密を暴いて、『国家反逆罪』だと言われて・・・死刑の予定だそうで・・・。」


俺は、言い終わらない内に、時間と場所を移動した。

やはり、この次元でも同じ様なことが起きていた。

1ヶ月前、『徒の国』は、侵略者那珂町国に乗っ取られていた。

当時の内郭惣利大臣は、仲間遅刻と500兆円で貿易が成立したと自慢した。

まだ、本格的に那珂町国軍隊は侵攻していなかった。

だが、政治に無関心だった若者が遂に立ち上がった。

国の「自警隊」は、北と南の防衛戦で手一杯だ。


俺が出逢ったのは、相撲取りの着ぐるみを着た若者達だった。

暑い季節の筈だが、彼らは構わなかった。


俺は、宮前教授の説明の後、俺の正体を明かした。

「今更、どうしようもないよ、大曲さん。『軒下を貸して母屋を取られる』、そんな格言、聞いたこと無いですか?『軒下を貸す』前で無いと・・・。」


「やってみます。」

俺は、教授にその頃のことを教えて貰って時間軸と場所を移動した。


1972年。この『徒の国』でも、半世紀以上前だ。

俺は、那珂町国の代表者の頭の中から『レンタル熊』の記憶を消した。


元の時間軸に戻って来た。

『徒の国』から『レンタル熊』は消えていた。

宮前教授もいなかった。


宣告諸島に行ってみた。

日本の国旗が立ち、漁村と資源開発会社の重機があった。

裸夫に行ってみた。

新幹線が通っていた。


空から俯瞰してみた。

空パネルは、あまり無かった。


デモをする人々が見えた。

何もかも理想通り、になるとは限らない。


『徒の国』と那珂町国人が、、酔っ払って道路に寝ていた。


長居しすぎたかな?


俺は、次の世界に跳んだ。


俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。


―完―


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