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17.【名声(fame)】

======== この物語はあくまでもフィクションです =========

ここは、『皆の国』。

俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。


俺には聞こえる。殺してくれ、と。

どこの次元でも聞こえている。


跳んで来たのは、総身官邸。

言わずと知れた、『皆の国』総身大臣の「家」だ。

臣民党幹部が勢揃いした。

選挙大敗をして、責任取って辞任という『習慣』を破り、まだ、『玉座』を譲らない。

あちこちでデモが起こっている。

雑務省の事務員の『窮余の一策』で、『大国の関税が決まらないと国情が安定しない』ということで、言い逃れしたしたのが、前日。

心中国と違い、スパイを送りこまなくても、『皆の国』国情は把握している大国(だいこく)。大統領は、すぐに『関税の決定』を世界に向け、発信した。

『皆の国』だけではない、全ての外国に対して、だ。


もう名目が立たない。

マスコミの『味方』も掌を返し始めた。もう、雑務省の『言い含め』は効かなくなってきた。外国が皆、大国に味方しているからだ。


操り人形だが、場末総身大臣には、自覚が無かった。

「自販機に偽コインを入れても飲料水が買えるようなものだ」と言った者もいる。


報告に来ていた、雑務省の事務員は場末をペーパーナイフで刺した。

俺は、瞬間を『写真』に撮った。

「アンタのお陰で、『雑務省解体デモ』まで起こった。今まで上手くやってきたのに。あらゆる『キックバック』を分配してやったのに。1人でいい気になりやがって。俺達の書いた台本通り動けない場所で『失言』ばかり言いやがって。アンタが責任取らなくてどうするんだよ。法律で決まってなくても、この国は『慣例』っていう大きな『縛り』があるんだよ!!あんたらを『皆の国』の総身大臣にする為に、3代前の総身大臣を葬ってやった恩を忘れたのか?1代前の総身大臣の時、『未遂劇』作ってやった恩を忘れたのか?」

「もういい。死んでる。」古参の幹部が言った。


記者会見で、観望長官は、総身大臣死亡と犯人逮捕を告げた。

しかし、どこからか、音声が流れてきた。

「アンタのお陰で、『雑務省解体デモ』まで起こった。今まで上手くやってきたのに。あらゆる『キックバック』を分配してやったのに。1人でいい気になりやがって。俺達の書いた台本通り動けない場所で『失言』ばかり言いやがって。アンタが責任取らなくてどうするんだよ。法律で決まってなくても、この国は『慣例』っていう大きな『縛り』があるんだよ!!あんたらを『皆の国』の総身大臣にする為に、3代前の総身大臣を葬ってやった恩を忘れたのか?1代前の総身大臣の時、『未遂劇』作ってやった恩を忘れたのか?」


記者の1人が写真を長官に渡して見せた。

「国民は、真実を知りたい。場末総身大臣が暗殺されたことより、雨野総身大臣を雑務省が葬ったのかどうか、岸科総身大臣襲撃が『茶番』だったのかどうか、をね。」


記者は出て行った。


外で待っていた俺は、『殺人犯の雑務省事務員』と『記者』に言った。

「気が済んだか?」

「あなたは、一体?マジシャン?」

「超能力者ですよね。」


「後者の方が近いかな。俺は『異次元の殺し屋』。遺体は見つからない。アンタは殺していないからな。」

「誰を殺したんです?」

「誰を、じゃない。何を、だ。無事な姿が発見されても、目論見通り悪政を続けることは不可能だ。俺が殺したのは、奴の『名誉』だ。あんたらは、明日になれば俺に出逢ったことを忘れる。」


俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。


―完―


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