### 関係の変化
翌日、いつもの日常とは打って変わり、ハヤトは静かな朝を迎えていた。
虚ろ虚ろな頭の中で、何となく気持ち良さだけを感じている。
何だろう、この気持ち良さ⋯⋯しかも、身体の中心部だけが妙に心地良い。
「んっ?」
ハヤトは覚めやらぬまま掛け布団を剥いだ。
「何をしている!?」
そこには、ハヤトの勃起したモノを咥えたカズがいた。
「ん? 何か勃起してるのを見てたら突然咥えてみたくなって」
舌を出しながら言うカズに、ハヤトは呆れた。
「だからって普通、他人のモノを咥えるか?」
「ハヤトも咥えてくれてもいいんだぜ?」
そう言いながら、自分のモノを出そうとするカズにハヤトは慌てる。
「それは遠慮しておく。おまえは何でたった3日でそこまで進めるんだ? おまえ、射精したのだって2日前が初めてだっただろ?」
そう言うハヤトに、キョトンとした顔をしてカズが言った。
「勿論、オレはまだ2回しか出した事が無いよ? でも、ハヤトのモノを見てたら咥えたくなったんだから仕方が無いだろ? もしかして、ダメだった!?」
慌てるカズに、呆れながらもハヤトが言う。
「するならすると言ってからにして欲しい。突然されたのでは戸惑いと恐怖心しか湧いてこないよ」
「ゴメン。もうしない方がいいか?」
「してもいいけど、俺も我慢は出来ないよ?」
「うん。出してもいいぞ。おまえのものは全部飲むから」
「えっ?」
ハヤトは、カズの言葉に一瞬、耳を疑った。
「⋯⋯今、なんて言った?」
「だから、おまえのものは全部飲むって言ったんだよ。オレ、ハヤトのモノが好きだし、オレのモノも好きって言ってくれるし、もう、全部オレに任せていいんだぜ?」
カズは、少し恥ずかしそうに頬を赤くしながらも、どこか自信ありげに胸を張った。
ハヤトは、寝起きのぼんやりとした頭で、その言葉を反芻する。
「⋯⋯おまえ、本当に、俺のモノが好きなんだな」
「当たり前だろ。だって、オレ、ハヤトが好きなんだから」
カズは、少し照れくさそうに目をそらしながらも、はっきりと言った。
その言葉に、ハヤトの胸の奥がキュッと締め付けられるような感覚を覚えた。
「⋯⋯俺も、おまえのことが好きだよ」
思わず、そう口にしてしまった。
カズは、目を丸くしてハヤトを見つめた。
「えっ、ホントか?」
「⋯⋯うん。ホントに」
ハヤトは、少し恥ずかしそうに目をそらしながらも、頷いた。
カズは、その瞬間、顔を輝かせてハヤトに抱きついた。
「やった! ハヤトがオレのことを好きって言ってくれたぜ!」
「ちょ、ちょっと、重いよ⋯⋯」
「だって、嬉しくて! オレ、ずっと、ハヤトのことが好きだったんだ。でも、言えるはずもなくって、ずっと我慢してたんだ。でも、こうして一緒にいる時間が増えて、オレの気持ちも抑えきれなくなって⋯⋯」
カズは、ハヤトの胸に顔をうずめて、少し涙ぐんでいるようだった。
ハヤトは、そんなカズを抱きしめながら、心の奥底から温かな感情が湧き上がってくるのを感じた。
「⋯⋯俺も、気づいてたよ。おまえが俺に特別な感情を抱いてること。でも、俺自身も、おまえのことを特別な存在だと思ってたから、それを否定する気にはなれなかった」
「ハヤト⋯⋯」
「だから、もう、隠さなくていい。俺も、おまえのことを好きだ。だから、これからも、こうして一緒にいよう」
カズは、涙を浮かべながら、何度も頷いた。
「うん⋯⋯ずっと、ずっと一緒にいよう」
二人は、しばらくそのままでいた。
静かな朝の光が、カーテンの隙間から差し込み、二人の体を優しく包み込む。
その静けさの中で、ハヤトはカズの髪にそっと手を伸ばし、撫でた。
「⋯⋯でも、朝っぱらから、俺のモノを咥えるとは、おまえ、本当に大胆だな」
「だって、オレ、ハヤトの反応が見たくて⋯⋯それに、気持ち良さそうにしてたから、もっと感じさせてやりてーって思って」
カズは、少し悪戯っぽく笑った。
「⋯⋯おまえ、本当に、俺を翻弄する奴だな」
「だって、ハヤトの反応、最高に面白いから」
「⋯⋯俺が面白い?」
「うん。特に、今みたいに恥ずかしそうに眉をひそめる顔、最高に面白い」
カズは、ニヤニヤしながらそう言うと、またハヤトの胸に顔をうずめた。
ハヤトは、ため息をつきながらも、どこか嬉しそうだった。
「⋯⋯おまえ、本当に、俺を困らせる奴だな」
「でも、ハヤトはオレのことを嫌いじゃないだろー?」
「⋯⋯嫌いどころか、大好きだよ」
「やった! ハヤトの口から『大好き』なんて、オレ、生まれて初めて聞いたかも」
カズは、はしゃいでいた。
ハヤトは、そんなカズの頭を撫でながら、心の中で誓った。
——こいつを、絶対に幸せにする。
どんなことがあっても、この笑顔を守ると。
「⋯⋯なぁ、ハヤト」
「何だ?」
「オレ、また、ハヤトのモノを舐めてもいい?」
「⋯⋯今、何て言った?」
「だから、オレ、ハヤトのモノが好きだから、また舐めたいって言ってんだよ」
カズは、真顔でそう言うと、ハヤトの股間に視線を向けた。
「おまえ、本当に、何を考えているんだ⋯⋯」
ハヤトは、カズの大胆な言葉に呆れつつも、どこか胸の奥が熱くなるのを感じた。
「⋯⋯いいよ。でも、今度は、俺もおまえのを咥えるからな」
「え? オレのモノを、舐めるってこと?」
カズは、少し驚いた顔をした。
「うん。おまえが俺のモノを舐めるなら、俺もおまえのモノを舐める。それが、平等だろう?」
「でも、ハヤト、さっきは遠慮するって」
「だから、今から舐めるんだよ」
ハヤトは、カズの頬を赤く染めながらも、どこか真剣な表情でそう言った。
カズは、少し恥ずかしそうにしながらも、頷いた。
「⋯⋯うん。オレ、ハヤトに舐めてもらえるなら、嬉しい」
そう言うと、カズはゆっくりとズボンを脱ぎ始めた。
ハヤトは、カズの動きを見つめながら、心の奥底から温かな感情が湧き上がってくるのを感じた。
——こいつと、これからもずっと一緒にいられるなら、どんなに幸せだろう。
そう思いながら、ハヤトはカズの手を取った。
「⋯⋯おまえと、こうしていられるのが、本当に嬉しい」
「オレも、同じ気持ちだ」
カズは、ハヤトの手を握り返しながら、微笑んだ。
二人は、朝の光の中で、静かに抱き合った。
そして、新たな関係が始まった。