### 二人だけの日常
朝食を終えた二人は、少しのんびりしながら、今日の予定を話し合った。
「図書館に行く前に、ちょっと寄り道してもいいか?」
カズが、少し照れくさそうにそう言うと、ハヤトは首を傾げた。
「どこか行きたいところでもあるのか?」
「うん⋯オレ、ちょっと気になってたカフェがあるんだ。ハヤトと一緒に行きてーと思ってて」
「へぇ、珍しいな。おまえがカフェに興味を持つなんて」
「オレだって、たまにはオシャレなところに行きてーんだよ」
カズは、少しむくれたように眉をひそめながらも、目は笑っている。
「わかった。じゃあ、図書館の前にそのカフェに行こうか」
「本当? ありがとう、ハヤト!」
カズは、嬉しそうにハヤトの腰に抱きついた。
二人は、少し早めに家を出て、カズが行きたいと言っていたカフェに向かう。
そのカフェは、街の片隅にある、こじんまりとしたお店だった。
店内は、落ち着いた雰囲気で、柔らかな照明と、心地よい音楽が流れていた。
「ここ、雰囲気いいな」
ハヤトがそう言うと、カズは得意そうに微笑んだ。
「オレ、前から気になってたんだ。ハヤトと一緒に行きたかったんだ」
二人は、窓際の席に座り、注文を済ませると、少しのんびりしながら会話を始めた。
「ハヤト、オレ、最近、毎日がすごく幸せだ」
カズが、ふと真面目な顔をしてそう言うと、ハヤトは少し驚いた。
「どうした? 急に」
「いや⋯オレ、ただ、ハヤトとこうしていられるのが、本当にありがてーって思ってて⋯」
カズの言葉に、ハヤトは心が温かくなるのを感じた。
「俺もだよ。カズと過ごす時間は、何をしてても楽しい」
カズは、少し恥ずかしそうに目をそらしながらも、小さく微笑んだ。
「オレ、これからもずっとハヤトと一緒にいてーよ」
「俺も、カズとずっと一緒にいたい」
二人は、静かなカフェの中で、心の底からそう願っていた。
図書館での勉強を終え、映画を観た後、二人は再びカフェに戻り、軽くお茶をした。
「今日は、本当に充実した一日だったな」
ハヤトがそう言うと、カズはうなずきながらも、少し寂しそうな表情を浮かべた。
「オレも⋯楽しかった。でも、今日はもう終わりなんだな⋯」
「また、明日も一緒に過ごせるよ」
「うん⋯そうだけど⋯」
カズは、少し恥ずかしそうに目をそらしながら、小さく笑った。
「オレ、ハヤトといると、時間が経つのが早すぎる気がする」
「俺も同じだよ。カズと過ごす時間は、本当に特別だからな」
二人は、そんな会話をしながら、家路についた。
帰宅後、二人はリビングでテレビを見ながら、オバサンの作った夕食を軽くとった。
「ハヤト、オレ、明日も朝早く行くからね」
「ああ、わかってる。また、起こしに来てくれよ」
「うん、絶対行くから」
カズは、そう言うと、少し悪戯っぽく笑った。
「また、昨日みたいに、朝立ちしてるところを弄ってやるからな」
「おまえは、本当にエッチだな」
ハヤトは、小さく笑いながらそう言った。
二人は、そんな会話を交わしながら、静かな夜を過ごした。
夜も更けた頃に、カズは自分の家へと帰って行った。
そして、また次の朝がやってくる——。