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第4話 二人だけの日常

### 二人だけの日常


 朝食を終えた二人は、少しのんびりしながら、今日の予定を話し合った。


「図書館に行く前に、ちょっと寄り道してもいいか?」


 カズが、少し照れくさそうにそう言うと、ハヤトは首を傾げた。


「どこか行きたいところでもあるのか?」


「うん⋯オレ、ちょっと気になってたカフェがあるんだ。ハヤトと一緒に行きてーと思ってて」


「へぇ、珍しいな。おまえがカフェに興味を持つなんて」


「オレだって、たまにはオシャレなところに行きてーんだよ」


 カズは、少しむくれたように眉をひそめながらも、目は笑っている。


「わかった。じゃあ、図書館の前にそのカフェに行こうか」


「本当? ありがとう、ハヤト!」


 カズは、嬉しそうにハヤトの腰に抱きついた。


 二人は、少し早めに家を出て、カズが行きたいと言っていたカフェに向かう。


 そのカフェは、街の片隅にある、こじんまりとしたお店だった。

 店内は、落ち着いた雰囲気で、柔らかな照明と、心地よい音楽が流れていた。


「ここ、雰囲気いいな」


 ハヤトがそう言うと、カズは得意そうに微笑んだ。


「オレ、前から気になってたんだ。ハヤトと一緒に行きたかったんだ」


 二人は、窓際の席に座り、注文を済ませると、少しのんびりしながら会話を始めた。


「ハヤト、オレ、最近、毎日がすごく幸せだ」


 カズが、ふと真面目な顔をしてそう言うと、ハヤトは少し驚いた。


「どうした? 急に」


「いや⋯オレ、ただ、ハヤトとこうしていられるのが、本当にありがてーって思ってて⋯」


 カズの言葉に、ハヤトは心が温かくなるのを感じた。


「俺もだよ。カズと過ごす時間は、何をしてても楽しい」


 カズは、少し恥ずかしそうに目をそらしながらも、小さく微笑んだ。


「オレ、これからもずっとハヤトと一緒にいてーよ」


「俺も、カズとずっと一緒にいたい」


 二人は、静かなカフェの中で、心の底からそう願っていた。


 図書館での勉強を終え、映画を観た後、二人は再びカフェに戻り、軽くお茶をした。


「今日は、本当に充実した一日だったな」


 ハヤトがそう言うと、カズはうなずきながらも、少し寂しそうな表情を浮かべた。


「オレも⋯楽しかった。でも、今日はもう終わりなんだな⋯」


「また、明日も一緒に過ごせるよ」


「うん⋯そうだけど⋯」


 カズは、少し恥ずかしそうに目をそらしながら、小さく笑った。


「オレ、ハヤトといると、時間が経つのが早すぎる気がする」


「俺も同じだよ。カズと過ごす時間は、本当に特別だからな」


 二人は、そんな会話をしながら、家路についた。


 帰宅後、二人はリビングでテレビを見ながら、オバサンの作った夕食を軽くとった。


「ハヤト、オレ、明日も朝早く行くからね」


「ああ、わかってる。また、起こしに来てくれよ」


「うん、絶対行くから」


 カズは、そう言うと、少し悪戯っぽく笑った。


「また、昨日みたいに、朝立ちしてるところを弄ってやるからな」


「おまえは、本当にエッチだな」


 ハヤトは、小さく笑いながらそう言った。

 二人は、そんな会話を交わしながら、静かな夜を過ごした。

 夜も更けた頃に、カズは自分の家へと帰って行った。

 そして、また次の朝がやってくる——。




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