### 入学前日
「ハヤト〜! いつまで寝てんだよ〜!!」
そう叫びながら、カズはハヤトのベッドにダイブした。
柔らかな感触に、思わず笑みがこぼれる。
目の前の少年、ハヤトはまだ半分寝ているようで、髪は乱れていて、寝惚けた顔がなんとも言えない愛らしさだ。
「おっ、今日もコッチは元気だな!」
カズはそう言うと、手をハヤトの布団の中のテントへ滑らせた。
途端に、堅さと温かさが手のひらに広がる。
「やめてくれ、カズ。出ちゃうだろ!」
ハヤトは慌てて身をよじったが、カズの手は離れない。
ニヤついた表情で、カズは言う。
「なぁ、久し振りに扱きっこしようぜ?」
「またか。おまえも本当に好きだな」
ハヤトは苦笑しながらも、目はまだ完全に覚めていない。
カズはその反応に満足そうに笑うと、さらに手を動かした。
「だってさ~、春休みになった時に2〜3回出したっきりだぞ? あれっきり出してないんだから別にいいだろ?」
「えっ? おまえひとりで出してないの?」
ハヤトは少し驚いた表情でカズを見た。
カズは少し恥ずかしそうに目をそらしながらも、頷く。
「うん。出そうとしてみたけど無理だった。やっぱハヤトにして貰わないと気持ち良くないし」
その言葉に、ハヤトは少し照れくさそうに頬を赤くした。
「そんなこと言うなよ⋯。おまえ、本当に俺に依存しすぎだろ」
「依存? いや、依存ってほどでもないだろ。ただ、ハヤトの手が一番気持ちいいって言ってるだけじゃん」
カズはそう言うと、さらに手を動かす。
ハヤトは思わず小さく喘いだ。
「やめろって⋯。今日は入学式の前日だぞ。こんなことしてたら、朝も夜も同じだ」
「朝も夜も同じって、つまり⋯夜もしてるってこと?」
カズは意地悪そうに目を細める。
「いや、そんなこと言ってないだろ⋯」
ハヤトは言葉に詰まりながらも、カズの手を止める気配はない。
カズはそれを良いことに、さらに大胆に動き始めた。
「なぁ、ハヤト。ちょっとだけ、いいだろ? 入学式の前日だし、お祝いってことで」
「お祝いって⋯入学式が終わってからにしろよ」
「でも、今日は特別な日なんだよ。もう小学生じゃなくなるんだからさ。最後の小学生として、ちょっとだけお祝いしていいじゃん」
カズはそう言うと、ハヤトの耳元で囁いた。
「それに、オレたちの秘密の時間も、この先どうなるかわかんねーし」
その言葉に、ハヤトは少し表情を曇らせた。
「⋯そうか。中学生になったら、部活とかで忙しくなるしな」
「うん。だから、今日くらいは、ちょっとだけ特別にしてもいいじゃん」
カズはそう言うと、ハヤトの唇に軽くキスをした。
ハヤトは少し驚いたが、それを受け入れるように目を閉じた。
「⋯わかった。1回だけだぞ」
「やった!」
カズは喜びの表情を見せながら、ハヤトのシャツを脱がせ始めた。
ハヤトもそれに合わせるように、カズの服を脱がす。
ハヤトの部屋には、静かな朝の光が差し込んでいる。
カーテンの隙間から見える空は、澄み切っていて、春の訪れを感じさせる。
「なぁ、ハヤト。この先も、ずっとこうしてていいかな?」
カズはそう言いながら、ハヤトの首筋に唇を這わせた。
「⋯どうかな。でも、おまえが望むなら、俺はいいよ」
ハヤトは少し恥ずかしそうにそう答えた。
「やった! じゃあ、約束だぞ?」
「約束って、そんなの無理だろ。中学になったら、環境も変わるし」
「それでも、オレはハヤトと離れたくない」
カズは真剣な表情でそう言った。
ハヤトはその言葉に少し驚きつつも、心の奥深くに温かさを感じた。
「⋯わかった。じゃあ、約束しよう。中学になっても、ずっとこうしていよう」
「本当? やったぁ!」
カズは喜びの声を上げて、ハヤトに抱きついた。
その勢いで、二人はベッドの上で転がる。
「ちょっと、重たいぞ⋯」
「ごめんごめん。でも、嬉しくて」
カズは笑顔でそう言うと、再びハヤトの唇を奪った。
そのキスは、少しずつ熱を帯びて、二人の鼓動は高鳴っていく。
「なぁ、ハヤト。オレたち、もう小学生じゃないんだよな?」
「当たり前だろ。明日から中学生だ」
「そうか⋯。じゃあ、ちょっとだけ大人っぽくしてみる?」
カズはそう言うと、ハヤトの耳元で囁いた。
「えっ? おまえ、そんなことできるのか?」
「できるよ。俺、意外と大人っぽいとこあるんだから」
カズは自信満々にそう言うと、再び手を動かし始めた。
ハヤトはその感触に、思わず小さく喘いだ。
「⋯おまえ、本当に悪魔だな」
「悪魔? いや、天使だろ? ハヤトの天使」
カズは笑顔でそう言うと、さらに大胆に動き始めた。
朝の静けさの中、ハヤトの部屋には甘く切ない時間が流れている。
それは、彼らの性春の始まりを告げるような、特別な時間だった。
「なぁ、ハヤト。俺たち、中学でも同じクラスになれるかな?」
「さぁな。でも、願書を同じにしてあるから、可能性はあるよ」
「やった! じゃあ、絶対同じクラスになろうな」
「⋯わかった。じゃあ、同じクラスになったら、またこうしてもいいか?」
「もちろん! 毎日でもいいよ!」
カズはそう言うと、ハヤトに抱きついた。
「⋯おまえ、本当に俺に依存しすぎだな」
「依存? いや、それは違うよ。俺はただ、ハヤトが好きなだけだ」
その言葉に、ハヤトは少し恥ずかしそうに頬を赤くした。
「⋯俺も、おまえが好きだよ」
カズはその言葉に、嬉しそうに笑った。
「やった! じゃあ、約束だぜ?」
「約束だ」
二人は、朝の光の中で、静かに扱き合った。
それは、彼らの性春の始まりを告げるような、特別な朝だった。