はじめに……
シャリーと ミソノ ハイツは 進級し 精鋭隊にも 後輩が 入ってきた
そして校長の 選抜の儀式を 終え カイルの 手始めの 試練を 終えたのが ルナである
なんと……!
なんとルナは シャリー達の選抜の 時から 目をつけられていたらしく 余裕でクリアした
そして
可愛いらしい笑顔全開で 「先輩ーっ」と はしゃぐ
なんとも 強者
エンド お目目まん丸 ただでさえ こぼれそうなのにである
「凄い!ドリアードの エンドだ!」
ハイツも 仰天!
「えへへ……」
才能とは恐ろしいもの!
カイルは 皆に優しく 厳しく 指導し ランドルの 采配の もと 訓練を開始する
ルナの ドリアードは 精鋭隊に 2人エンドが いるため 便宜上 サナと 名がついた
エンドとサナは 仲良し
きゃっきゃしている
「エンドちゃーん」
「サナちゃーん」と 呼び合う仲
そして!そして!ビッグニュース
カイルと ライラが 婚約した!
ババーン!
もう 学校中でお祝いしようということになり
おまじないに ライラさん 髪の毛くださいとか 女の子の お願いが 殺到した
カイルは 頭をかきかき……ライラの 中に母性を 見たと いう
結局 そっちか?
ランドルに からかわれ 更に真っ赤なカイル
そして惚気ける ライラの 瞳の中の 自分が 幸せそうで……とか 後輩に 取られたくなくて とか 宣う
「カイル様ーっ」
悩める女生徒の 諸君!
男は結局 母性に 弱い!
チーン!
ランドルも 納得!
ライラはいい女だ
で 終えた
サイが 副隊長補佐になり テアが なんとサイに 告白した
なんだか
周りは カップルまみれ
ハイツとミソノの仲の詮索も なりを潜めた頃に 恋愛ニュース
こればかりは カイル追っかけ サイ追っかけに 分断して 上へ下への 大騒ぎ
「何よぉ!ハイツだって……だって……かっこいいのに」
騒いで欲しいのかミソノさん
可愛いい 唇を 突き出した
「仕方ないさミソノ!カイル隊長にはかなわないよ」
ハイツは謙虚だ
「いや!」
ブンブン!ミソノ 首をふる
「おーい!最少年カップル君」
変なあだ名までつけられて ふたりは もう 笑うしかなかった
なんですか?それ
ランドルに問うたのは ルナ
「はは……いいだろ?なかなか」
「えーっ!最少年カップルは私ですぅ」
ルナの爆弾発言!
「あのですね!私シャリー先輩の彼氏になるんです」
バタッ……エンドが 顔から着地した
「?」
なんかへんですか?
ルナー!
天才ルナ!恋には疎いようである
第1章 あの夜……
なんだかんだで 騒がしい学校内……
シャリーは 恋愛には 興味なく ただ ある夢だけを 見ていた
それは ひたひたと 近づいてきて そして ある人物の 姿をとる
ギュンター
ただの悪夢の 類い……
そう信じた
だけど ギュンターの 悪意に 満ちた腕が シャリーの胸を 貫き あるものを 抜き出す
その幻視に シャリーは 悲鳴を 上げた
「どうしたの」
「闇の オーブ」
「シャリー!」
エンドが 涙顔で シャリーを 覗く
「闇のオーブが……!」
バン!
サイが 飛び込んできた
「シャリー?」
「すいません……シャリー……ひどく怯えてて……」
ミソノが 背を撫でてくれていた
シャリーは ガタガタと 震える
「どうしよう……怖いよミソノ……」
シャリーがシーツを握りしめ 泣き続ける
「怖い夢を……見てたようで……」
ミソノが説明する
「うん」
カイルがそっと シャリーの頭を 抱き寄せた
大丈夫だ
シャリー……!
大丈夫だから
脇にはライラが 居て ミルクの 入ったカップを くれる
「落ち着くかな?シャリーびっくりしたのよね……思い出さなくていいから……いいのよ」
ライラが そっと シャリーの 額におでこをくれた
そして
「夢よ……おいで……」
そう唱えて 悪夢を 吸い取ってくれた……
「シャリー」
エンドが 癒しの 光を手に宿らせると シャリーの 肩に触れる
忘れなさい
ランドルが 微笑む
ふ…………
シャリーが パタリと目を閉じた
眠るといい……
ランドルが そっと シャリーを横たえる
「ハイツ……マンナズの 結界はれる?」
ライラが ハイツを 振り返った
「悪夢……あれは 辛いわ……自己防衛の 結界を……」
「 はい……」
「疾く来よ 守り給え……」
がかっ……
シャリーの 周りに 結界の 膜が 出来た
「エンド……」
「ここにいる!シャリー心配だもん」
「エンド……これはただの 夢ではないの……」
ライラが 不安気だ
もしかしたら 予知……
有り得るとしたら……
ライラさん?
皆が振り返る
「教官……!」
「言わなくていい……奴だろう……!この気配……」
「はい……」
「ギュンター……」
カイルが 手を握りこんだ
なんて奴!
テアが 壁を叩く
ハラが シーっと 口の前で人差し指を たてた
「寝かせてあげよう」
一同は そっと 離れた
ミソノは シャリーの 傍らの ベッドに 座ると そうっと 聖母の子守り歌をハミングする
「おねむり……羊達……お眠り……良い子……」
そっとハミングして シャリーを 気遣う
「ん……」
シャリーは 静かに うめくと 寝返りを うつ
エンドが ちゅっ……と シャリーの 頬に キスを した
「もう……怖い夢見ないようにね」
おまじない……
カイルとライラは 後任が選出されるまで 卒業後も 残ると発表された
が……しかし……それには もう1つの 理由がある
シャリーの悪夢……
それが心配だと シャリーと エンド
サナとルナを のぞく 全ての隊員に 告知された
皆は 歓迎し
カイルのライラの欠けた 精鋭隊など ありえないと 笑って迎えた
やれやれ……
ランドルが 肩をすくめる
卒業後に 結婚式の はずなのにな……カイル
と…… カイルの 肩をもんだ
「ご苦労さん」
なんだか……いいのか悪いのか!
「もうシャリーの泣き顔は見たくありませんから」
カイルとライラは異口同音 そう宣言した
「よろしくご指導くださいよ……隊長!僕……隊長クラスになりたいですから!」
サイの豪語に テアが 腹に パンチを 入れた
「いてっ!この乱暴もん!」
なんとか言って
このカップルの じゃれ合いなのである
「こんのバカ!失礼でしょ」
慎みなさいよ!
テアが バチっと サイの 額を 弾く
「しゅいません隊長」
「構わないさ……心強いよ!サイ……副隊長補佐!頼らせてもらう……」
カイルの 笑顔に サイが テアを ちょちょいと つつく
「ほらぁ……みたろ?聞いたろ?テアぁ」
腑抜けた サイである
「調子のらない!」
ピシッと 言われて サイはがっくり
一同が どっと笑った
シャリーが 眠そうに 部屋を出てくると ライラが そっと シャリーの 瞳を 覗く
「大丈夫?シャリー……?」
はい……
いつもの気丈さはどこへやら 気弱に シャリーは頷いた
「いつでもおいで!かわい子ちゃん」
サイが ガバと シャリーに 抱きついて テアに 蹴飛ばされる
「副隊長補佐のアホ!」
一同に 後ろ指をさされ むくれたサイである
「今日……一緒にねる?」
ライラが シャリーの 寝癖を 撫でた
「うふ……カイルさんに叱られたくないですよ?」
ちょっとシャリーが 笑う
ライラが 耳まで赤くなる
「こりゃいいや!」
ランドルが わっははと 笑った
第2章 夢の続き……
シャリーは その後 頑張って 訓練をこなし 次々と 点数を あげた……
でも エンドには それが痛ましくて……ハラハラの連続…
「シャリー……休もう」
わざと 音を上げてみせた
「エンド……わかった休もう」
カサカサ……
なんと……シャリー!
用務員さんの クッキーの 術を 心得た
「みゃー!」
エンドちゃん 馬力が 上がる
真空波を オートマタに お見舞いし 得意満面 チョコクッキーにかじりつく
「エンドったら……」
シャリーが笑った
「そーそー!シャリーは笑うと 最高なの!このクッキーより!」
「クッキーより?」
シャリーが 小首を傾げる
「そーなの!」
「本当に?」
「うん!」
エンドが お口の まわりを クッキーまみれに して ニカと わらった
「怪しいなぁ」
シャリーが エンドの 頬を つつく
「本当だってば!」
そう言いながら 2枚目をおねだり
シャリーが 楽しそうに 声を上げて笑うと カイルが
「おや……いいね!僕ももらおうかな?」
と……2人を覗いた
「だめぇ」
エンドが クッキーに すがりつく
「あはは……冗談だよ」
カイルが 笑う
「かわいいねエンド!」
ちょこんと……カイルが エンドの 鼻をつついた
「えへへ……あげないの!」
ハートマークを とばしながら クッキーと シャリーの 指を抱きしめるエンドに 皆が 笑う
「やーい!くいしんぼう」
サイが エンドを からかった
「いいもーん」
シャリーには あげる
シャリーの 口に ふよふよと 運ぶ
「わぁ……ありがとう!」
シャリーが 頬張ると
「おやまぁ……親子みたいだ」
ランドルに 笑われた
ふふ
なんだかシャリーは 涙をこぼしながら笑えて
幸せだった
こうして 夜になる訳だが シャリーは 暮れる毎に 不安で……心が しぼむ
「ミソノ……」
「大丈夫よ!一緒の ベッドで寝よ」
ミソノが 頼もしく 請け合って そっと シャリーの 手を取った
「ね?」
エンドも ウンディーネも ぺったりと シャリーに くっつく……
「寝よ?」
「うん!」
しかし……また あの夢が はじまる
シャリーの 額に 脂汗が うき うなされはじめた
そして また!
闇のオーブ!
「いやぁっ!」
ガバっ
跳ね起きて エンドが シャリーに だきついた
「ミソノ……シャリーが!」
皆が 集まってくる
「また見たのね……」
ライラが おでこを コツン……
それすら シャリーは 恐怖で はねのけた
「いや!いや!いや!いやぁ」
悲鳴が続く
「シャリー……」
ライラさんが 涙を 浮かべた
「シャリー……ベルカナへいこう」
カイルが 静かに言う
「大神官様に相談しよう!」
聞こえる?
シャリーの 涙の 瞳を 見つめた
「カイル隊長……」
シャリーが俯く
今はカイルの 優しい アイスブルーの 瞳ですら怖い
「マンナ……」
ハイツが 唱えかけて
「子供騙しはやめて!」
シャリーに 怒鳴られた
「ごめん……ごめん……ハイツ……私」
「いいよ……シャリー」
ハイツが シャリーの 手をとった
「ベルカナまで……一緒だ……いいだろ?」
そして小指を 絡める
「私も行く」
ミソノが シャリーを 抱きしめた
「う……ん……っく!ごめん!ありがとう」
皆は一緒に朝をむかえると 校長室へ赴く
「ベルカナへ?」
「はい!」
カイルが 姿勢を 正す
「行かせてくだい!隊長不在でも副隊長と 補佐がいます」
校長は シャリーを 見て 全て察した様だった
「行ってらっしゃい!」
優しい笑顔を むけると シャリーに 自分の ペンダントを かけた
「お守りに!」
そっと 頬を寄せると 小さく
「彼氏が 出来るおまじない」
と 囁いた
「ふ……」
シャリーの口元が 少し緩んだ
「はい……いってきます!」
校長に敬礼する
「気をつけてね」
「はい!」
一同が 敬礼すると 校長が 言った
「転移ゲートは 空けてありますよ!」
「なんと心強い!」
ランドルが 頭を 下げる
「お行きなさい」
「はい!」