「1」
ーー「????」ーー
チリーン♪チリーン♪
ーーなんだ?この音。
チリーン♪チリーン♪
ーーあっちから聞こえる。
チリーン♪チリーン♪
ーー誰か?いるのかー?おーい!
チリーン♪チリーン♪
ーーまさか!あれは!?
チリーン♫
「マリア!!」
ーー「アヤの部屋」ーー
私は思わず部屋で親しい彼女の名を叫んだ。
そこで目を覚ましてしまった。
頭の先から身体まで大量の汗がかいており、少し気分が悪くなった私はそのままシャワーを浴びて染み付いたモノを洗い流す。
そのシャワー浴びる中、私はマリアのことが気がかりだったのだ。
ーー最近、誰かに私の名前を呼ばれてる気がするの。
そう、弓道部でいつもひたむきで強いマリアが初めて弱音を吐いたのだ。
親しい友人でもあり、愛する恋人のためならなんでもチカラになりたかった私。
しかし、そんな私でも不安になっている。
そう、私が抱える不気味な悪夢が。
物心つく頃から毎晩この悪夢に悩まされていた。
家族や友人どころか、あのマリアさえも相談してなかった。
「……」
しばらく浴室に浸っていると身体が冷えてくしゃみしたのでシャワーの温度を上げて身体の芯まで暖めた。
ーー「野薔薇学院弓道場」ーー
学校の放課後の終わり、私は所属してる部活に精を出す。
私は弦をしならせて弓矢を向けて放つとき見事的の中心を当てると他の部員達も感心して拍手する。
「よかったわよ。アヤ」
その愛する彼女も私のことを褒めてくれる。
マリアも私と同じく弓道部に所属している。
私と良きライバル関係でもあるが最近ここんとこ調子が悪く成績も落ちている。
「なぁ、マリア」
「何?」
「……いや、なんでもない」
「……そう」
彼女も察してるのだ。
ただ、私はマリアを怒らせたくないためにそこまで踏み込んでなかった。
私も手に止めていた弦を持ち弓を射るの再開した。
「2」
部活の帰り道。
私とマリアは仲良く帰宅する。
マリアは普段から気丈に振る舞っているが私から見れば無理をしてることくらい分かってしまう。
「……」
そんな青ざめた表情だから、私の抱える悪夢も彼女に気軽に相談ができなかった。
そして私の自宅先が見えるとマリアと別れた。
その時、いつまでも私はマリアとそばにいたかったのだ。
でも、彼女の弱音を出すことは許されないというより私がそうさせている。
だから、あの悪夢を見たんだろうと。
私はあの時どうすればよかったんだろうか。
ーー「????」ーー
私は例の悪夢を見ていた。
そこに鈴のようなモノが鳴り響いてる。
そこに骸骨騎士のような集団が現れて何故か嫌がるマリアを無理矢理連れ出そうとしてる。
「マリア!」
マリアは気づいたのか、私を元に向かう。
そこでマリアの手を取り急いで遠くまで走りかける。
ずっとずっと遠くの果てまで。
誰も邪魔をさせない場所へと。
誰にも……?
すると、マリアをチラ見すると、私は驚愕する。
ーー繋がれたマリアは骸骨のような姿をしていたからだ。
その時私は思わず掴んだ手を離した途端、その骸骨はバランスを崩してバラバラになってしまった。
そして私は悪夢から目を覚ますとベッドの周りにはいくつか骨のような残骸がちらほら残っていた。
「3」
私はそのままパジャマ姿で家を出てマリアの自宅先まで急いで向かった。
この目で確かめたかったから。
マリアの最期はあんなもんじゃないと言い聞かせたかったから。
だけどあの骨の残骸はマリアのモノじゃないと……。
そこに住宅街の付近で私はハッと目視する。
そこにいつものように馴染みのある彼女が愛犬の秋田犬と散歩する姿がいた。
私はそれを見て一気に身体から崩れるほど安堵した。
「4」
ーー「野薔薇商店街」ーー
私とマリアは商店街でやるお祭りを観賞していた。
一応、あの骨の残骸やマリアの悩ますアレが残っている。
私はあの悪夢のことを相談して打ち明けたら、黙って私のことを優しく抱きしめてくれた。
ーー私たちの隠し事はなしよ。
そう彼女が言ったから。
だから、私たちはこの抱える問題をいつか取り除くまでに。
でも、マリアと一緒にいられる時間がないことにまだこの時は気がついてなかった。
百鬼士夜行ー前日談ー アヤ視点side 完