「とりあえず、町の方へ行こう。
空き家が何軒もある。」
私もフェルナンさんも何の返事もしていないのに、マリウスさんは先頭を切って歩き出した。
マリウスさんは、ガザンについても詳しそうだ。
そういう人がいてくれたら…
武器も扱えるのなら、なにかと助かるような気もするし。
フェルナンさんも何も言わない所をみると、私と同じ考えなんじゃないかな。
しばらく歩くと、町のような所に着いた。
民家は何軒かあるけど、どこにも明かりはついてない。
マリウスさんは、静かな町の中をずんずん歩いて行く。
「おい、どうするつもりだ?空き家に入らないのか?」
「馬鹿言え。
こんな所にいたら、さっきの悪党共にまた捕まっちまう。」
「あ……」
確かにそうだ。
こんな近くにいたら、すぐにみつかってしまう。
結局、その晩はずっと歩き詰めだった。
途中からはもう感覚もなにもなく、足だけが勝手に動いてるような感じだった。
やがて、どこなのかもわからない町の空き家にお邪魔して、私は泥のように眠った。