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后狩り
后狩り
音羽夏生
BLファンタジーBL
2025年08月12日
公開日
7,594字
連載中
ただ一人と望む后は、自らの手で狩る――。 皇帝の策に嵌り、後宮に入れられた元侍従の運命は……。 母の故国での留学を半ばで切り上げ、シェルは帝都の大公邸に戻っていた。 若き皇帝エーヴェルトが、数代ぶりに皇后を自らの手で得る『后狩り』を行うと宣言し、その標的となる娘の家――大公家の門に目印の白羽の矢を立てたからだ。 古の掠奪婚に起源を持つ『后狩り』は、建前上、娘を奪われる家では不名誉なこととされるため、一族の若者が形式的に娘を護衛し、一応は抵抗する慣わしとなっている。 一族の面子を保つために、シェルは妹クリスティーナの護衛として父に呼び戻されたのだ。 嵐の夜、雷光を背に単身大公邸を襲い、クリスティーナの居室の扉を易々と破ったエーヴェルトは、皇后に望む者を悠々と連れ去った。 恐ろしさに震えるクリスティーナには目もくれず、当身を食らい呆気なく意識を失ったシェルを――。 ◇◇◇ ■性描写のある章には、※を付与しています。 ■他サイトにも投稿しています。

<登場人物>

■シェル

北海帝国の『建国の五柱』の一柱、ユングリング大公家の嫡子。

皇帝の侍童、皇太子の侍従として、10歳から11年を皇宮で過ごす。

皇宮を辞した後、隣国のミレニオ王国に留学していたが、妹の結婚のため帰国する。

22歳。


■エーヴェルト

北海帝国の若き新帝。

熾烈な後継者争いに勝ち皇太子の座を掴むと、父帝の侍童をしていたシェルを侍従として引き抜く。

即位後、数代ぶりに嫁取りの儀式『后狩り』を宣言する。

29歳。


■クリスティーナ

シェルが溺愛する同母妹で、ユングリング大公家唯一の姫。

『后狩り』の白羽の矢がユングリング大公家の門柱に立てられたことで、新帝が望む皇后として渦中の人となる。

18歳。


■ハルディス

『建国の五柱』の一柱、リンネ大公家に嫁したエーヴェルトの異母姉。

先帝の長子であり、終身の名誉称号『第一皇女』を有する。

結婚後も本領地である大公国には殆ど赴かず、帝都の大公邸に暮らしている。

32歳。


■ウルリカ

『建国の五柱』の一柱、サンドベリ大公家の公女。

後宮警護を司る女衛軍の将軍を務める。

感情の起伏を見せない『氷の花』と揶揄される女騎士で、エーヴェルト、ハルディスの幼馴染。

30歳。


■イリス

ユングリング大公。

ミレニオ王国の王女を妻に娶り、シェルとクリスティーナをもうけるが、妻を早くに事故で喪う。

クリスティーナを溺愛する一方で、シェルには幼少の頃から冷酷な態度で接する。


■リベルト

ミレニオ王国の貴族、アルファーノ公爵。

ミレニオ王家とは縁戚にあたり、シェルの教育係の一人。

駐北海帝国大使で、母を喪い父に疎まれるシェルの親代わりのように接する。


■ルカ

ミレニオ王国の貴族、クレバルディ伯爵。

リベルトの息子で、シェルの幼馴染。


■ルチア

ミレニオ王国の王女で、ユングリング大公妃。

シェルとクリスティーナの母。

光り輝くミレニオ王国の至宝と謳われ、開明的な言動で北海帝国の宮廷にも強い影響力を持ったが、シェルが8歳の時に落馬事故で落命する。


◼️ビアンカ

先帝の後宮の妃で、エーヴェルトの母。

エーヴェルトが皇太子となる前に、その弟妹とともに毒殺される。

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