第一章 初登場編
月明かりが差し込む古い森の奥。
シャリーは息をひそめ、闇の道を進んでいた。
ふわりと足元に金色の光が舞い降り、それは小さな少女の姿へ。
翡翠色の髪、光る羽、花びらのドレス、小さな手にはクッキー。
「……あなた、迷子?」
少女はにっこり笑う。
「私はエンド。光のエレメントよ」
クッキーをかじった瞬間、黄金色の羽が輝き、
闇を切り裂くように道を照らした。
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第二章 クッキー魔法編
森の泉でエンドは色とりどりのクッキーを取り出す。
星型クッキーは《道しるべの蝶》。
暗闇の中でも蝶が道を示してくれる。
花型クッキーは《癒やしの花嵐》。
光の花びらが傷や枯れた草木を優しく包み、元に戻す。
ハート型クッキーは《約束の灯》。
食べた者と心をつなぎ、遠く離れても互いを感じられる。
シャリーはその温かさに、胸の奥がほんのりと明るくなるのを感じた。
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第三章 バトル編
黒い霧の中から現れる、紅い目のシャドウウルフ。
エンドは《クッキー・フォース・ライト》で獣の動きを封じ、
シャリーの剣が一閃する。
しかし完全には消えず、エンドは星とハートを組み合わせた特別なクッキーを取り出した。
「これで終わり。《スター・ハート・バースト》!」
金色と桃色の光が混ざり合い、獣を優しく浄化していった。
「……クッキーの力、なめないでね」
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第四章 秘密編
焚き火の前、シャリーは問いかける。
「どうして、クッキーなの?」
エンドは語り始めた。
月光の村で暮らしていた頃、闇の軍勢が村を襲った。
傷ついた精霊たちを救ったのは、一人の老婦人――お菓子職人だった。
光の花粉を混ぜた特別なクッキーが、精霊たちの命をつないだ。
エンドはその唯一の生き残りであり、今もその味を忘れず、魔力をクッキーに宿している。
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第五章 再会編
旅の途中、港町の甘い香りがエンドを立ち止まらせた。
その先にあった小さな菓子店。
そこには、あの日の老婦人がいた。
二人は涙ながらに抱き合い、あの夜と同じ星型クッキーを分け合った。
「あなたは今も、その光を誰かのために使っているのね」
老婦人の言葉に、エンドは微笑みながら頷いた。