俺はトシ。読者の皆と同じ高校生だ。いつものように朝から昼寝をして目が覚めると、異世界に来ていた。現在は異世界の住人であるペチの家に居候させてもらっている。
ペチ
おはよう、トシ!今日は何をする?
トシ
せっかく異世界に来たんだから、異世界で流行っていることをやってみたいな。この世界では何が流行っているの?
ペチ
よくぞ聞いてくれたよ!最近はインターネット小説が流行っているよ!自分の考えた小説を小説投稿サイトに投稿して、読み合うんだ!
トシ
俺のいた世界にも、そういうのあったよ。
ペチ
へぇ、いいなぁ!僕もトシのいた世界に行ってみたくなったよ!
トシ
やってることが同じのようだから、行ってもあんまり変わらないぞ。
ペチ
ちなみに、この世界では異世界ファンタジーが人気だよ!
トシ
ますます俺のいた世界と同じなんだけど。
ペチ
へぇ、いいなぁ!僕もトシのいた世界に行ってみたくなったよ!
トシ
やってることが同じのようだから、行ってもあんまり変わらないぞ。
ペチ
ジャンルは同じかもしれないけど、細かいところは違うかもしれないよ?良かったらこの世界の小説を読んでみない?
トシ
読んでみようか。
ペチ
「小説家になれそう」というサイトだよ。皆が考えた小説がいっぱい載っているよ。どの小説を読む?
トシ
いっぱいあってよく解らないから、とりあえず人気ランキング一位になっている「異世界に転生ではなく転校をしてしまった」を読んでみようか。
「異世界に転生ではなく転校をしてしまった」Byパン
まさか小説とかでお馴染みの異世界に転生してしまうとはなぁ。あれっ、だけど姿が変わっていないな?
「おーい、そこの君!こっちに来てくれー!」
誰かが呼んでいる。行ってみよう。
「来ましたけど、何でしょうか?」
「はいっ、皆さーん!今日は転校生を紹介します!それじゃあ、自己紹介を!」
「えーっ!これじゃあ異世界転生じゃなくて、異世界転校だよー!」
END
トシ
えっ、何これ?
ペチ
転生と転校を掛けているんだよ。よくある異世界転生ものと思わせておいて、字面が似ている転校ものだったというユーモアだよ。
トシ
そんなことは言われなくても解る!あんまりにも酷いだろ!こんなのが一位なのか?
ペチ
トシはこれよりも面白い小説が書けるの?
トシ
逆にこれよりも面白くない小説が書けるものなのか?
ペチ
トシはビッグキャットだなぁ!
トシ
ビッグマウスじゃないの?
ペチ
そんなに言うなら、面白い小説を書いてみてよ!
トシ
面白い小説は書けないよ。小説なんて書いたことないから。だけど、これよりは面白いのが書けると思う。
ペチ
どんな小説を書くのか楽しみだよ!
トシ
何かテーマをくれ。
ペチ
異世界ファンタジーとか、どう?
トシ
それで行こうか。
えーっと、異世界ファンタジーかぁ。異世界ファンタジー、異世界ファンタジー…
ペチ
完成した?
トシ
完成してないよ!完成した様子なかっただろ!
ペチ
秒で読みたいから、秒で完成させてくれない?
トシ
無茶言うなよ!
ペチ
うわぁぁぁぁぁん!秒で読みたい!秒で読みたい!
トシ
その「秒で」っていうの、やめてくれない?何か腹立つわ!
ペチ
なる速で頼むよ!
トシ
それも嫌だな!
ペチ
ワガパパだなぁ。
トシ
ワガママだよ!俺はワガママしゃないよ!ちょっとあっち行っててもらえる?完成したら呼ぶから!
ペチ
はいはい。
はいは一回でよろしい!
トシ
俺の言うであろうセリフを先読みするんじゃないよ!
ペチ
楽しみに待っているよ!
トシ
えーっと、異世界ファンタジーだろ?ファンタジーだから現実には存在しない生物が出てきちゃって…、ファンタジーだからヒロインがさらわれちゃって…、ファンタジーだから主人公が頑張っちゃって…、おっ、書けそう書けそう!
「姫と手下」Byトシ
「姫ー!」
「手下ー!」
姫はモンスターにさらわれている。
それを手下が追いかけている。
「待ってください、姫ー!」
「待ちたいけど、モンスターがさらうから待てない!」
「モンスターに止まるように言ってください!」
「止まれ!」
「はいっ!」
「手下が止まるんかい!」
姫はモンスターにさらわれてしまったとさ。
END
トシ
あれっ、終わっちゃったぞ?小説って普通もっと長いよな?だけど、これ以上は何も思い付かないからなぁ…?
ペチ
完成したようだね!
トシ
わあっ、いつの間に!音もなく入って来るとは!
ペチ
ずっといたよ?
トシ
えっ?
ペチ
ずっといたよ!
トシ
あっち行っててって言ったのに、あっち行ってなかったのか?
ペチ
うん。
トシ
あっち行ってたと思ってたわ。
ペチ
叙述トリックというやつだね!
トシ
ちょっと何を言っているのかよく解らないけど、そんなことより俺の小説どう?
ペチ
えっ、完成したの?見せて見せて!
トシ
さっきの時点で完成したことに気付いていたのに、どうして今気付いたかのような反応ができるんだ。
ペチ
秒で読ませてもらうよ!
トシ
その秒って言うやつ、やめてくれない?
ペチ
口癖だから、そんな秒ではやめられないよ。
トシ
もう、わざとだろ!
ペチ
秒で読んだけど、面白いと思うよ!
トシ
それは良かった。だけど人気ランキング一位になれるとは思えないなぁ。何だかんだ言って、異世界転校の小説はすごかったんだなぁ…
ペチ
まだ投稿してないんだし、解らないんじゃないかな?
トシ
うーん…
ペチ
秒で諦めるなんて、良くないよ!
トシ
次、秒って言ったら殴るからな?
ペチ
実は、一位になれる秘策があるんだ!
トシ
えっ、それはどういう…?
ペチ
小説家になれそうは、小説を投稿するとマジカルポイントがもらえるんだ!
トシ
マジカルポイント?
ペチ
マジカルポイントは自分の小説に使用できて、使用すると閲覧数をプラスできるんだ!ちなみに一ポイントで閲覧数プラス一万だよ!
トシ
すっ、すごい!そんな魔法みたいなものがあるのか!この世界に来て初めて魔法のような何かに出くわしたよ!
ペチ
僕がこれまで貯めたマジカルポイントを使用すると良いよ!
トシ
えっ、良いのか?
ペチ
うん、僕には使用できないから…
トシ
使用できない?マジカルポイントを貯めたってことは、ペチも小説を投稿してきたんだよな?だったら、その小説に使用できるんじゃないのか?
ペチ
僕の投稿した小説はないよ。運営に削除されちゃったんだ。
トシ
えっ?削除されたなんて、何を書いたんだ?
ペチ
秒で削除されたよ…
トシ
どれくらいの速さで削除されたかではなく、何を書いて削除されたかを聞いている。そして、秒って言ったから約束した通り殴らせてもらう。
ペチ
いててだよ…
トシ
ペチの書いた小説は、どうして運営に削除されてしまったんだ?
ペチ
僕は小説を書けなかったんだ。思い付かなかった。だけど、僕だって投稿したかった。だから、誰も読んでなさそうな他の投稿者の小説の一部だけを変えて、僕の小説として投稿したんだ。
トシ
それって、盗作…?
ペチ
盗作は削除されてしまうんだ。僕の投稿は盗作ばっかりだったから、どれも削除されてしまった。残ったのは、投稿した時にもらったマジカルポイントだけだったよ…
トシ
マジカルポイントは削除されないのかよ!
ペチ
されないよ?
トシ
てか、異世界から来た俺を居候させてくれる良い奴だと思っていたのに、他人の小説を盗作なんてしてたのかよ!
ペチ
人は裏では何をやっているか解らないものなんだよ…
トシ
何と言う説得力だ。
ペチ
僕はトシが来てくれて嬉しかった!トシが小説を書いてくれたから、やっとこさ僕のアカウントから削除されない小説を投稿できるんだもの!
トシ
何か良い話のように言ってるけど、そうでもないんだよなぁ。
ペチ
マジカルポイントは一万くらい貯まっているよ!これを残さず使用して、秒で一位になろうよ!
トシ
マジカルポイントを使用して一位になるのは、問題ないんだよな?それだったら、やってもらって良いけども。
ペチ
そうこなくっちゃ!
トシ
だけどさ、「姫と手下」は俺が書いた小説だろう?結局ペチが書いた小説ではない。
ペチ
僕はそういうの、気にしないから!
トシ
気にしなさいよ!
ペチ
トシ、見て!僕の小説が、削除されずに一位になっているよ!
トシ
ペチの小説ではないんだよ!
ペチ
あっ、あれっ?
トシ
どうした?
ペチ
僕の小説が二位になっちゃった!
トシ
えっ?
ペチ
せっかく一位になれたのに!秒で一位を取られちゃった!こんなのっておかしいよ!
トシ
確かにおかしいけど、それと同じくらいペチもおかしいよ!
ペチ
うわぁぁぁぁぁん!悲しさのあまり秒で泣いてしまったけど、不思議と涙は出てこないよー!
トシ
一位の小説はどんなのだ?
ペチ
さっき読んだ異世界転校だよ!
トシ
えっ?異世界転校どんだけ人気なんだよ!内容と実績のギャップが!
ペチ
おそらく、異世界転校の作者もマジカルポイントを使用したんだと思う。
トシ
えっ?
ペチ
投稿者というのは自分の小説を人気ランキング上位に食い込ませたいものだから、普段からいっぱい小説を投稿してマジカルポイントを貯め込んでいるものなんだ!そして、使用するんだ!
トシ
はぁ。
ペチ
人気ランキング上位の小説は、基本的に軒並みマジカルポイントが使用されているよ!
トシ
このサイト、ダメじゃね?
ペチ
もしかしたら、ダメなのかもしれない。だけど、このサイトを使用するしかない。だって、他に小説を投稿するサイトなんてないから。
トシ
ないのかよ!バカしゃないの?
ペチ
僕にマジカルポイントは、もう残っていない。これ以上は打つ手なし。完敗だ…
トシ
カラオケでも行かない?
ペチ
ファンタジー小説で手に入れた人気ランキング一位は、皮肉にもファンタジーだったよ…
トシ
カラオケでも行かない?
ペチ
カラオケに行ったからって、僕の小説は人気ランキング一位になったりしないんだよ?
トシ
もう小説はやめた方が良いと思う。
ペチ
やめない!
トシ
他の趣味を探さないか?
ペチ
僕の石は、意志のように固いんだ!
トシ
漢字が逆になっているぞ!
ペチ
僕の石は、志意のように固いんだ!
トシ
いや、そういうことではなく!
ペチ
解ったよ、カラオケをするよ…
トシ
カラオケに誘っちゃったけど、この世界にカラオケはあるのか?
ペチ
あるよ!カラオケも小説と同じくらい流行っているよ!店の名前はラウンドツーだよ!
トシ
とりあえず、そこに行こうか?
ペチ
歌い終わると、自分の歌唱力を表示してくれるんだよ!
トシ
俺のいた世界にも、そういうのあったよ。
ペチ
へぇ、いいなぁ!僕もトシのいた世界に行ってみたくなったよ!
トシ
やってることが同じのようだから、行ってもあんまり変わらないぞ。
ペチ
カラオケは学校をサボって行くと、後ろめたさがスパイスになってより楽しいよ!カラオケに学校をサボって行くために、学校に入る人もいるくらいだからね!
トシ
俺のいた世界には、そんなおかしい人いなかったわ。
ペチ
実は僕もその一人だったんだ!だけど、出席日数が少なすぎたから退学になっちゃった。もう一度、学校に入ろうかなぁ。
トシ
そろそろ行かない?
ペチ
学校に?
トシ
カラオケに!
ペチ
ラウンドツーだったら、ここからでも秒で行けるよ!
トシ
あんまり店の名前は言わなくて良いぞ。パロディネタにしても、クオリティーが低い。
ペチ
せっかく歌うんだから、歌唱力ランキング一位を目指してみたいなぁ!
トシ
ペチの歌唱力はどんなものなんだ?
ペチ
すごく下手なんだ…
トシ
あらら…
ペチ
いっつもランキング圏外…
トシ
やっぱり、行くのやめようか?
ペチ
やめない!実は秘策があるんだ!
トシ
えっ、それはどういう…?
ペチ
ラウンドツーは、歌を歌うとマジカルポイントがもらえるんだ!
トシ
えっ、ラウンドツーも?
ペチ
マジカルポイントは自分の歌唱力に使用できて、使用すると歌唱力をプラスできるんだ!ちなみに一ポイントで歌唱力プラス一万だよ!
トシ
先が読めたよ!
ペチ
まだ解らないんじゃないかな?
トシ
解るだろ!小説と同じだよ!歌唱力ランキングの上位もマジカルポイントを使用してるだろ!帰ろ帰ろ!
ペチ
まだ家から移動してないんだけど…
トシ
うるさいうるさい!叙述トリックだ!
ペチ
ちょっと何を言っているのか解らないけど、カラオケをやめるんだったら何をやる?
トシ
マジカルポイントが絡んでこない娯楽だったら、何でも良い!
ペチ
えっ、そんなものあるのかな…?
トシ
あんまり俺のいた世界と変わらない世界だなと思っていたけど、そんなことなかったかも。
ペチ
あっ!
トシ
どうした?
ペチ
トシ、見て!僕の小説が人気ランキング一位になってる!
トシ
えっ、一位は異世界転校じゃなかったのか?
ペチ
一位は異世界転校じゃない!姫と手下だよ!うわぁぁぁぁぁん!嬉しさのあまり秒で泣いてしまったけど、不思議と涙は出てこないよー!
トシ
異世界転校は?
ペチ
異世界転校は…、ない!
トシ
どうしてないんだ?異世界転校が異世界に転校でもしたのか?
ペチ
面白いことを言うね!笑っちゃうかと思ったよ!
トシ
だったら笑えよ!
ペチ
おそらくだけど、異世界転校は運営に削除されてしまったんだと思う。
トシ
えっ、ということは…?
ペチ
異世界転校も盗作だったんだと思う。
トシ
何て酷い世界だ!酷異世界だ!
ペチ
面白いことを言うね!笑っちゃうかと思ったよ!
トシ
だったら笑えよ!
ペチ
それにしても、異世界転校が削除された今、姫と手下こそが人気ランキング一位だ!一位って良いなぁ!だって一位ってことはさ、言わずもがな一位ってことでしょ?これには僕も一位と言わざるをえないだなぁ!あれっ、ちょっと待ってよ?僕が一位ってことはさ、いわゆる僕が一位ってこと?えーっ、やったぁ!一位だ一位だ!
トシ
壊れた。
ペチ
ねえ、一位って百回言ってよ!
トシ
嫌だよ!
ペチ
じゃあ、僕が言うね!一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位一位!じゃあ、僕は?一位!
トシ
ペチ…
ペチ
トシ、一位の僕を呼んだのかい?はいっ、僕こそが一位のトシ…じゃなかった、ペチだよ!どうしたの?
トシ
姫と手下は俺が書いた小説だ。人気ランキングが一位なのも、本当に人気があるわけではなく、マジカルポイントによるものだ。おそらく、読者は一人もいない。
ペチ
うっ…
トシ
それなのに、それで満足なのか?ちゃんと自分の書いた小説を投稿して、マジカルポイントを使用しないで、一位になることに、価値があるんじゃないか?
ペチ
トシの言う通りだよ…
トシ
解ってくれたか。
ペチ
僕も自分で小説を書いてみるよ!
トシ
よくぞ言った!
ペチ
小説になれそうのアカウント登録は、自分でできたんだ!小説だって、自分で書けるはずだよ!
トシ
それとこれとは無関係だが、そんなことを言うのは野暮だろう。そうだそうだ!書けるはずだ!
ペチ
これから僕は小説を書くために、部屋に瓶詰めになる!
トシ
缶詰めになれ!
ペチ
僕が小説を書いている間は、何があっても部屋の扉を開けないと約束してよ!
トシ
約束するよ!頑張って!
ペチ
ありがとう!僕、頑張るよ!
トシ
ペチはどんな小説を書くのかなぁ?
外
ピンポーン
トシ
ん?
宅配業者
お届けものをお届けに来ました!
トシ
おいっ、ペチ!お届けものだってよ!
ペチ
受け取っといてー!
トシ
すみません、本人ではありませんが…
宅配業者
構いませんよ!
トシ
ありがとうございました。
宅配業者
あっ、着払いなのでお金をお願いします。
トシ
えっ、お金?
宅配業者
一万マドカになります。
トシ
おいっ、ペチ!お金だってよ!
ペチ
支払っといてー!
トシ
そんなぁ!
宅配業者
ありがとうございましたー!
トシ
後で返してくれよ!
ペチ
はいはーい!
トシ
はいは一回でよろしい!はいだけに、排尿がしたくなってきたな。おいっ、ペチ!おしっこ!
ペチ
すればー?
トシ
ペチが缶詰めになっている部屋に入らないと、トイレに辿り着けないだろ?入っていいか?
ペチ
僕が小説を書いている間は、何があっても部屋の扉を開けないと約束したでしょ?
トシ
じゃあ、どうすれば?
ペチ
外でしてー!
トシ
そんなぁ!
ペチ
ごめんねごめんねー!
トシ
ふぅ。
ペチ
何か僕も喉が渇いてきたよ…
トシ
俺は喉は渇いてなかったんだが。
ペチ
飲み物を取ってくれない?
トシ
ペチが小説を書いている間は、何があっても部屋の扉を開けないと約束したから、無理だ。
ペチ
うわぁぁぁぁぁん!喉が渇いたよー!
トシ
仕方ないな、何が飲みたいんだ?
ペチ
おいしい飲み物!
トシ
具体的には?
ペチ
おいしい飲み物!
トシ
具体的に何だよ!
ペチ
「おいしい飲み物」っていう名前の飲み物なの!
トシ
紛らわしい!
ペチ
冷蔵庫に入ってるから!
トシ
ないんだけど!
ペチ
そんなはずはないよ!
トシ
だけど、ないぞ!
ペチ
もしかして、飲んじゃったんじゃないの?
トシ
俺は飲んじゃってないぞ!
ペチ
僕が飲んじゃったんしゃないのって言ってるの!
トシ
会話の内容が無駄すぎる!
ペチ
テーブルに冷蔵庫に入れようと思って入れてないのがあったりしない?
トシ
あっ、テーブルにあったぞ!
ペチ
それを冷蔵庫に入れて!そうすれば、冷蔵庫に入っていることになるでしょ?
トシ
見つけたんだから、冷蔵庫に入れる必要はないんじゃないか?
ペチ
それもそうだ!クリームソーダ!
トシ
すっげぇつまんねぇ!
ペチ
おいしい飲み物じゃなくて、クリームソーダが飲みたくなってきたよ!
トシ
クリームソーダはあるの?
ペチ
ないよ!
トシ
じゃあ、おいしい飲み物で我慢してくれ。ほらっ。
ペチ
あっ、開けちゃったね。
トシ
開けないと取れないだろ?
ペチ
この姿を見られたからには、僕はもうここには居られないよ。
トシ
さっきからずっとこの姿だったけど、さっきは見られても良かったのか?
ペチ
トシが来てくれて嬉しかったよ!ありがとう、そして、さようなら…。
トシ
行ってしまった…。ペチの家なのに…。鶴の恩返しみたいだと思ったけど、何か所々違うから言えなかったな…。それに、こんなにすぐに扉を開けることになるならトイレでおしっこさせてほしかったな…。てか、お届けものの着払いを返してもらってないな…。
ピチ
行ってしまったものは仕方ないし、これからは残された私達で頑張っていきましょう?
トシ
ピチ、いたのか。
ピチ
今日はずっと自分の部屋にいたわ。
トシ
いきなり知らない人がトシへ話し掛けてきたのではないかと、読者に思われてしまうぞ?
ピチ
私は知らない人じゃないわ。私もこの家に住んでいるんだから。だけど、読者からそう思われても仕方ない感じではあったわね。ずっといたのに気付かれなかったなんて、叙述トリックみたいね。
トシ
ちょっと何を言っているのか解らないけど、そういえば、ずっと部屋で何をやってたんだ?
ピチ
小説を書いていたわ!
トシ
ピチも小説を書くのか。どんなのを書いているんだ?
ピチ
タイトルは「異世界に転生ではなく転校をしちゃったのだよ」だよ!
トシ
えっ、あれってピチのだったの?
ピチ
あれとは?
トシ
小説家になれそうの人気ランキングで一位になってた…
ピチ
一位になっていたのは、私の小説の盗作よ。
トシ
あっ、そうなのか。
ピチ
誰も読んでなさそうな他の投稿者の小説の一部だけを変えて、自分の小説として投稿する人がいるの。
トシ
確かにいるなぁ。
ピチ
盗作なのにオリジナルより上位だなんて許せない!運営に言って削除してもらったわ!インターネットだからそれくらいしかできないけど、リアルだったら殴っていると思うわ!
トシ
ペチは間一髪だったなぁ。
ピチ
ちなみに私は七九四位。鳴くよウグイス平城京って覚えてね!
トシ
平城京じゃなくて、平安京な?それにその語呂合わせだと平安京の年は覚えられるけど、ピチが何位なのかは覚えられないぞ?
ピチ
あれっ、お届けもの?
トシ
さっき届いたんだ。
ピチ
開けてみましょうよ!
トシ
ペチ宛なのに、良いのか?
ピチ
良いの良いの!ペチはいないんだから!
トシ
わーっ、お届けものから白い煙が!
ピチ
まるで浦島太郎だわ!白い煙を浴びたトシが、年を取ってしまうのではないかと心配だわ!トシだけに、年を取ってしまうのではないかと心配だわ!
トシ
やかましい!
白い煙を浴びた俺は寝てしまった。目が覚めると、俺は元の世界に戻っていた。あんまりこういうことは言いたくなかったが、異世界は夢だったようだ。冒頭で昼寝をしたと言っているから、もしかすると夢オチなのではないかと疑った読者もいたかもしれない。
夢オチを疑った読者は、鋭いと思う。三角定規だったら、三十度のところになれるくらい鋭いと思う。何を言っているのか解らない?三角定規の角度って、三十度、六十度、九十度になっているんだけど、三十度は三つの角度で一番鋭いんだよ。だから…、ん?ごめん、自分でも何を言っているのかよく解らなくなってきた…。もう読んでしまったのに申し訳ないけど、三角定規の例えのくだりは忘れてくれ。
話を戻す。夢オチってあんまりよろしいものではないと思うけど、今回に関してはむしろ良かったんじゃないかと思うんだ。今回はファンタジーをテーマに書こうとしたわけなんだけど、ファンタジーと夢って同じようなものでしょ?だから、テーマに合っているし、良かったんじゃないかって思うんだよ?
この説得に納得しない人もいるんじゃないかって思う。だけど、それも良いんじゃないかって思うんだ。様々な考えを持つ人がいるから、様々な小説が存在して、読めるんだよ?もしも、納得する読者しかいないなんてことがあったら、皆が同じ考えしかできないということになるわけだから、同じような小説しか存在しないことになってしまう。
そろそろ納得してくれたかな?途中からトシじゃなくて、作者の後書きみたくなってしまったけど、それも個性というもの。良いんじゃないかって思うんだよ。
せっかくだから、運営にもメッセージを書いておこうかな。この小説に登場した、マジカルポイント。是非、実装を検討してもらえないでしょうか。できれば、私のみに実装をお願いします。他の人にも実装をされてしまうと、あんまり私が有利になれません。私も人気になってみたいけど、いつもなれていません。私は、人気になってみたい。私にも異世界ファンタジーで、ファンタジーを見せてあげてはもらえないでしょうか。
えっ、ちょっと待って!こんなに書いているのに、まだ一万字にならないんだけど!どゆことー?どうゆうことかと言うと!
この小説はネオページのコンテストに応募したくて書き始めたものなんだけど、選考をしてもらうには文量が一万字以上でないとダメなんだ。ぶっちゃけ、私はそんなに大量の字数の小説なんて書いたことがなかったから、一万字なんて無理ではないかと思っていた。しかし、書き始めてみると結構書けるものだし、これなら一万字くらい書けるだろうと思ったのも束の間、やっぱり無理だった。正直、一つのテーマで一万字も書く機会なんて、普通に生活していたら、ないって思う…。私、結構無駄を省くタイプの人だし…。
それに、私は普段小説ではなく漫画を描いているから、小説は苦手と思います…。有限である時間をわざわざ消費してここまで読み続けてしまった読者は、何だかんだ私の作風に入り込んでしまったということ!おそらく私の漫画を気に入ってくれるのではないかと思います!私の漫画も読んでもらえないでしょうか。小説は字数の制約のせいで酷いことになってしまった。これは字数の制約をした運営が悪いと思います。だけど、漫画は字数の制約がありませんし、誰に見せても恥ずかしくないすごい内容になっていますから、是非読んでみてほしいと思います!
そうだ!今回の小説に登場した「姫と手下」!実はあれは、数年前に私が人生で初めて書いた小説でした。友人に見てもらおうと思ってテキストファイルを送ったけど、文字化けしていたらしく読んでもらえませんでした。この小説の読者には読んでもらえたと思うから、やっとこさ報われて良かったって思っています!
さてさて、そろそろ目標の一万字が近付いて来ましたよっと!今回の内容を整理しようと思います!
まず、小説本編はテーマ通り、異世界ファンタジーが書けました!オリジナリティーが感じられる作風であることも、評価してみたいところ!本編自体は一万字ありませんが、後書きのような何かをオチにすることで一万字をクリアするという斬新な発想を、評価しないわけにはいきません!普段は漫画しか描いておらず、一万字を超える小説は初めてであるため、それなのによく頑張ったという声も聞こえてきます!
よって、この小説には賞金である一万円をあげるべきだと思います!皆もそう思いますか?思う思う!その声を聞いて見たかった!ありがとうございます!私は病気で仕事ができない都合お金がありませんから、この一万円は生活費としてありがたく使用させてもらいます!
私は次回以降のテーマも挑戦しますよ!異世界恋愛とゲームかぁ。次回こそは、小説本編だけで一万字を超えてみせます!受賞をさせざるをえない斬新な小説を書きますから、運営はお金を用意して待っていた方が良いと思います!読者の皆も応援よろしくお願いします!最後まで読んでくれて、ありがとう!また会いましょう!