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第6話

ユエの言葉に狼が頷く。

『うん、でも白熱したよな?ゲームになったから。』

『そうそう、狼はバスケ上手いんだよ。』

『そっか。』

隣にいた西島が肘でこつんとユエの体を小突く。

ああ、と頷くと西島を紹介した。それに続き西島もにこりと笑う。

『西島カナです。中山君、間山君、別のクラスだけどよろしくね?』

虎二が頷き、狼は笑った。

『よろしく。そろそろチャイム鳴るから急いだほうがいいよ?』

西島は腕時計を見ると、じゃあねと行ってしまった。

『美少女だったな?』

狼が虎二を小突く。

虎二はああーと笑うとユエの肩からかけているバスタオルをユエの頭にかけてワシワシと拭いた。

『ああっ!いいよ!髪くしゃくしゃになっちゃうよ!』

『でもちゃんと拭いとけ。ユエ、西島って友達なのか?』

虎二がバスタオルを動かしながら聞いた。

顔が見えないがいつもよりトーンが低い。

『うん、さっき授業でね。どうしたの?』

『いいや。ほら、俺らも戻ろうぜ。』

ぐいっとバスタオル越しに体を押されて教室へ戻る。

席に着いた虎二はなんだか不機嫌そうに見えた。

放課後、西島は教室にやってきてユエと話してから虎二の傍に行く。

何か話した後虎二は鞄を持った。

『ユエ、悪い。今日は西島と帰るわ。』

『うん。じゃあ、また明日ね。』

『じゃあね?如月さん。バイバイ。』

虎二と西島が教室を出て行く。ユエは鞄に必要なものを詰め込み、机の中の教材を手で抱える。鞄を肩にかけて教室を出ようとすると狼と出くわした。

『あれ?ユエちゃん。虎は?』

『うん、西島さんと帰ったよ。私も今から帰るとこ。』

『そっか、俺も帰るから一緒に帰ろう。』

『うん。』

狼は急いで帰り支度をすると鞄を持ってユエの傍に来た。

『帰ろうか。』

『うん。』

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