俺の愛は歪んでいる。好きな人が俺を想って不安や嫉妬で怒り悲しみ苦しむ姿が愛おしくて好き。
その犠牲を被っているのが、弟の空と将来、妹になるだろう春花。この2人も好きあっているが俺の歪んだ愛のせいでお互いがそれぞれ片想いであると思い込んでいる。高校を卒業と同時に歪んだ愛から歪みだけ卒業しようと思っている。
空と春花はあと1年高校生活が残っているので最後の1年で思いっきり青春してほしいという兄心もある。
今日も自分で春花に仕掛けておいて俺が春花を慰めている様子をみて泣いている姿は愛おしすぎるが振り回されている2人がかわいそうになってきた。
春花が泣き止み落ち着くのを待ってから手を引き部屋に入る。美夏と空も呼び集める。2人は俺が春花との交際宣言でもすると思っていそうな何とも言えない苦痛な表情をしている。
「高校卒業したら婚約する。」春花だけが相手が分からず驚いている。かわいいな。
2人は思いっきり勘違いをして、より苦痛を増した顔になる。愛おしい。
「‥‥‥。」 「‥‥‥‥。」
「美夏?」
美夏の目から涙が落ちだした。思わず春花の手を離し美夏を抱きしめようとしたが拒否された。
「なんなの?」美夏が涙を流しながら睨みをきかせる。
「美夏?ちゃんと最後まできけ!いいか!」
「高校卒業したら婚約する。小さい時から俺の相手は美夏と決めている。美夏しかいらない。」
美夏が信じられず放心状態で立ち尽くす。
陸が腕を引っ張り胸に抱く。
その姿をまえに春花が喜んでいる。そして‥‥‥‥。空の事を思い出し‥‥そっと「空?大丈夫?空にはもっと良い人が見つかるよ。」っと耳もとで伝える。
「はぁ?何が?」
「?お姉ちゃんが好きなんでしょ?だ、だ、だから‥‥‥‥‥‥‥‥‥。」
「俺は生まれた時から違う人が好き。」
「えっ!違う‥‥‥人?」
「ぁあ。春花こそ大丈夫か?」
「えっ。まっまままさか陸兄が好きとか言わないよね?」
「違うのか?」
「私も生まれた時から違う人が好き」っと言って‥‥空をみる。頭を掻いて照れていた‥‥‥‥。
空が春花を引き寄せ「良かった。好きしかない。」っと伝える。「私も‥‥‥‥。」っと泣き笑う。
ずっとあなたの横にいたかった‥‥‥‥‥‥‥。