『全ネオ・日本国、国民へお知らせいたします』
「え? なんだ?」
「何?」
ネオ・日本国 国民全員は何か悪い知らせかと思い、ざわついた。
それは急にネオ・日本国政府より、あらゆる媒体から全国民へお知らせがきた。
『新しい領土が誕生したことを記念して、【ネオ・大江戸】をイメージしたVRMMO(仮想現実大規模多人数同時参加型オンラインゲーム)を数社と協力して製作しました』
2100年になる2年前。
突如、ネオ・日本国のトウキョウの太平洋側で、海底火山により陸地が出来た。これにより、ネオ・日本国の領土が増えた。その領土を【ネオ・大江戸】と名付けた。
その【ネオ・大江戸】は全世界でも、話題になっていた。
「は?
俺、
「へえ? 何か面白そう」
俺と翔太は続きを聞こうと、歩くのをとめた。
『この【ネオ・大江戸】をイメージしたVRMMO(仮想現実大規模多人数同時参加型オンラインゲーム)で優勝した者は、【ネオ・大江戸】の土地と賞金1億円をさしあげます!』
「えっ!? マジ!?」
「ええっ――!?」
『参加資格は18歳から24歳まで。審査あり、抽選もあります』
「え――――っ!」
政府のお知らせを聞いて参加資格の年齢の狭さに、あちこちで不満の声が上がった。
『まずはバージョン・
おお――! やった――――!
また歓声が上がった。そのお知らせを聞いて、人々はとりあえず大人しくなった。
まさか、ネオ・日本国政府がそんなことを始めるとは思わなかった。皆も思っているだろう。
「面白い。なあ、翔太も参加するだろう?」
俺は翔太に話しかけた。当然参加すると思っていた。
「いや……。俺はゲーム苦手だし、パスかな……」
背が高い翔太を見上げて、なぜ!? と思った。
「えっ! なんで? 1億円だぞ?」
高校生にしては大人っぽい翔太に、俺は信じられないと言った。
「俺は、パス!」
翔太は、一度決めたことは変えない。頑固な奴なんだ。
「そうなのか? 一緒に参加したかったな」
俺は翔太と参加したかったけれど、無理に誘えない。残念だ。
『詳しい説明は、あらゆる媒体でお知らせしますのでお見逃しなく!』
衝撃的なお知らせは、ぷつん! と切れた。
街は静寂のあと、絶叫や歓声があちこちで上がった! 開発途中の新領土の土地と、賞金1億円がもらえるとなれば叫ぶだろう。
全ネオ・日本国民が盛り上がった。
ネオ・渋谷の立体広告で聞いた俺は、参加したいと思った。
参加資格の年齢は大丈夫だけど、審査や抽選に選ばれないとダメだ。
どうか当たりますように……と俺は願った。