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第82話 その後…

***8年後


私はいつも、近くのアパートから、花屋サンライズに通っている。


今日は、確か赤バラの注文予約が入ってるんだっけ?


ラッピングしとかなきゃ…


それから〜…


私は小さな花屋の中を走り回る。


あれから、8年。


私はこの海の側の花屋を守り続けてきた。


だけど、暁さんは現れる気配もなかった。


もう、あの時に死んだのかもしれない。


だけど、私は、待ち続けるだろう。


ずっと…


ずっと…


だって、ここが約束の地だから…














夜7時。


店を閉める準備をする。


結局、赤バラの注文のお客さんは来なかった。


私はシャッターを閉め、赤バラの花束を仕方なく自宅に持って帰る。


その時。


「夜宵…」


背後から声がした。


嘘よ…

暁さんは死んでる…


だけど、この声は…


私は後ろを振り返る。


「暁さん…!」


私は笑いそして、泣いた。


そして、暁さんは私を抱きしめ、長い長いキスをした。


***end





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