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第97話

「ワインセラーも無いんですよね、この家…」


「発泡酒買ってますよ。

乾杯しましょ。」


「発泡酒って貧乏人が飲む飲み物…」


「乾杯、黙ってするわよねぇ?ニコッ」


「「乾杯!」」


そうして、ささやかに幸せな一日が終わった。


こうして、私にも合わせてくれるならば…

もしかしたら…

調月さんと、いつかは夫婦として支え合っていけるかもしれない…


調月さんには言わなかったけれど、心の中でそう思った。


その時はまだ、この契約結婚の恐ろしさを私は知らなかった…

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