菊池まりな
ホラー都市伝説
2025年08月30日
公開日
3,675字
連載中
山間の小さな町で行われる秋祭り。
提灯の灯りが揺れる夜、少女・くれはは謎めいた声に導かれるように姿を消した。
必死に探す母・晴香は、その瞬間に悟る。
──これは二十年前にも起きた「忌まわしい出来事」と同じ始まりだ。
町に伝わる古い言い伝え。
“赤い森に呼ばれた者は戻らない”
だが、外から赴任してきた刑事・祐真は、その話をただの迷信と切り捨てる。
少女の失踪を追ううちに、彼は次第に目を逸らせぬ現実に直面していく。
森に蠢くもの。木々に浮かぶ人の顔。
血のように濡れた葉が降りしきる中で、人々はひとり、またひとりと消えていく──。
過去と現在が交錯し、町の秘密が暴かれるとき、
くれはの名を呼ぶ声の正体が明らかになる。
主な登場人物
橘紅葉(17歳)
失踪する少女。森に囚われるにつれて「人」から「森の紅葉」へと変貌していく。
橘晴香(40歳)
母。過去にも「紅葉」という名を持つ娘を失った家系の出身。無意識のうちに因習を受け継いでいた。
一ノ瀬祐真(28歳)
刑事。論理で怪異を否定しようとするが、最後は狂気に飲み込まれる。
古沢透(60歳)
住職。森を「口を開けた神」と呼び、紅葉という名がその生贄だと告げる。
氷川美奈(17歳)
くれはの親友。彼女も森に引き寄せられ、最期は森に“葉”として吸い込まれる。