遅刻魔男子に私の恋のダイヤは乱れっぱなしです!〜複線ドリフトの恋〜
憮然野郎
現実世界ラブコメ
2025年09月01日
公開日
7.7万字
連載中
早過ぎなのぞみと、遅刻魔の迂闊。
そんな真逆な二人の恋の急行列車、まもなく出発進行です!
すれ違いだらけの恋は、笑って泣けて、最後に心が温かくなる。
速杉のぞみ、17歳。
鉄道マニアの彼女は、亡母の『定刻の記憶』に縛られ恋を拒む。
だが、遅刻魔男子・迂闊の駆け込み乗車で、電車内で恋のダイヤが乱れる!
過去と負けヒロインの切なさを乗せ、鉄道旅が二人を始発駅へ。
笑いと涙の青春ラブコメ、複線ドリフトで出発進行!
恋は、乗り遅れてからが本番です!
補足(編集部向け)
第一話冒頭より
あいつが遅れるたびに、
私の感情も、ほんの少しだけ、時刻表から外れていく気がする。
そしてその瞬間、まわりの音が、ほんの一瞬だけ止まる気がする。
……誰かの気持ちが、私の中にだけ届いてるみたいに。
私が漫画に心を奪われ5分遅れたあの日。
夕陽が血のように路地を染め、駆けた先で世界が止まった。
時刻表を握り潰す手が震え、時間は私の罪を刻む。
だから、あいつの遅刻は許せない……はずだった。
ラブコメのテーマとして幽霊なども検討しましたが、死生観をギャグで扱う難しさや、「亡くなった人とは会えない」という現実的な深みとの両立が構造的に困難であると判断しました。読者の感情導線と表現の自由度を踏まえ、笑いと感動を両立できるモチーフとして鉄道を選択しています。時間と旅を軸に、すれ違いと再出発を描くことで、軽快さと深みを長期的に両立できる物語構造を目指しました。
この物語は、軽快なラブコメから始まり、やがて主役たちの過去と感情の核心へと深く切り込んでいきます。
王道ラブコメの楽しさに、初期から張り巡らされた伏線とサスペンスが加わり、読者を物語の“乗り換え案内”へと導きます。
叙述トリックをそのまま使うと敷居が高いので、
この作品ではテンプレ文脈(ラブコメ・ギャグ・萌え)に構造を溶かし込むことで、
“気づいたら深い”体験を提供している。
つまり、「語りのズレ」を“キャラの属性”として配置することで読者の警戒心を解きます。
本筋の節目には、鉄道を巡るゲストのオムニバス人間ドラマを挟み込み、物語に呼吸と広がりを。
読者が共感せずにはいられない負けヒロインの存在と、徹底したキャラクター愛着戦略によって、読み進めるごとに新鮮な感動があり、続きへの期待が止まらない連載構成となっています。