離婚する時、妊娠診断書を隠しておいたら、橋本社長が後悔してるんだが?
Cashie
恋愛現代恋愛
2025年10月20日
公開日
1.1万字
連載中
結婚生活3年目、小林薫が予期せぬ妊娠を知ったその日、橋本湊の忘れられない人が帰ってきた。
世間皆知っていること、小林薫は橋本湊に心底愛し、10歳の時から橋本湊にしつこくまとわりつき、どんな女性も彼に近づけさせなかった。
橋本湊と結婚するために、彼に媚薬を飲ませることさえ厭わず、彼の初恋の人を追い払った。
しかし今回は、小林薫が離婚協議書に一刻も早くサインしたかった。
橋本湊は少し意外に思い、薫がただわがままを言っているだけだと思っていた。
しかし、薫が妊娠したお腹を膨らませているのを見るまで。
「この子はあなたとは関係ない」と小林薫は冷たくよそよそしく言った。
橋本湊は目を赤くして、「小林薫、そんな馬鹿な、一人で子供が産めるわけないだろう!」
「でも、最初にこの子は要らないと言ったのは湊よ。もしこの子が私一人のものにならないのなら、この世に来なくてもいい」
その後、幾度とない日々、橋本湊は一身の傲りを粉々に砕き、苦しそうに懇願した。
「お願いだ、そんな風にしないで。何でも約束する、だから」
手放しておけず、離れられない人、それはいつだって湊の方だった。
薫に一目ぼれしたのも、湊の方だった。