夫の浮気まで許した私だが、いちご大福ひとつで我慢できなくなった ~離婚後、私は自分の人生を歩む
すぴか
恋愛結婚生活
2025年10月23日
公開日
6.4万字
完結済
東京を離れたあの日、金沢には雪が降っていた。
美月は携帯の電源を切り、過去との最後のつながりを断ち切った。
彼女が残したのは、一枚の結婚指輪と、油じみた枕、そして崩壊寸前の夫だけだった。
結婚の壊れゆく音は、ずっと日常の中に潜んでいた。
――落ちない油汚れ。
――息子がアレルギーを起こしたときの冷たい責め言葉。
――そして、もう一緒に分け合うことのなくなった苺大福。
彼女の復讐は、静かで、しかし徹底していた。