菊池まりな
現実世界ラブコメ
2025年11月05日
公開日
9,576字
連載中
──恋のリハーサルが、本当の恋になるなんて誰が思っただろう。
新人舞台俳優・桜井蓮は、初舞台を控えて緊張の日々を送っていた。
そんな彼の前に現れたのは、明るく天真爛漫な若手脚本家・水無月あかり。
台本を通してぶつかり合いながらも、二人は次第に互いを支え合う存在となっていく。
ところが、蓮のライバル俳優・高峰翔の登場により、稽古場の空気は一変。
さらにヒロインの代役として、蓮の幼なじみで彼に想いを寄せる椎名美咲が加わったことで、
恋と芝居の境界線が曖昧になっていく。
「恋を知らなきゃ、恋を演じられない」
──あかりの提案で始まった“恋愛リサーチ”という名のデート練習。
それはやがて、二人にとって“リハーサルではない本当の恋”へと変わっていく。
舞台の成功、すれ違い、嫉妬、告白未遂――
幾度もの誤解と試練を経て、蓮とあかりは互いの本当の気持ちに気づく。
初舞台を成功させた後、俳優として成長していく蓮と、脚本家として羽ばたくあかり。
離れていても心はつながり、再会の日に二人は再び“人生という舞台”で結ばれる。
ラストシーンでは、映画の初日舞台挨拶で蓮がサプライズ・プロポーズ。
あかりの涙の返事は「はい、喜んで!」
──二人の物語は、ようやく“リハーサル”を終えて“本番”を迎える。
エンドロールでは一年後、新居で台本を読み合う二人の姿。
「愛してるよ、脚本家様」「私も、俳優様」
笑顔で抱き合う二人の姿が、まるで幸せなラストシーンのように幕を閉じる。