社長である彼氏と私の義兄はビジネス上の宿敵、彼は私のことを「おもちゃ」だと言った、だから私は義兄と結婚した
恋愛現代恋愛
2025年11月07日
公開日
公開日
2.6万字
連載中
連載中
「雪穂、君は僕の人生で唯一の愛だ。」
六本木の最上階で青柳裕之が彼女の首にダイヤのネックレスをかけたとき、桜庭雪穂はそれが“愛”というものだと信じていた。
誰もが彼を業界の“悪犬”と呼び、目的のためなら手段を選ばない男だと言った。
だが、雪穂は彼の唯一の優しさが自分にだけ向けられていると信じていた。
——あの夜、彼の秘書との会話を耳にするまでは。
「白井龍一のやつ、俺があいつの義妹と一緒にいるのを見たら、さぞ苦しむだろうな。」
「さすが社長。桜庭家の商店街を手に入れたら、この女ももう用済みですね。」
「ただの玩具だよ。」
雪穂は静かに去った。
——あなたが“玩具”と呼んだその人は、他の誰かにとって“宝物”なのよ。
雪穂の義兄から嵐のような報復を受け、青柳裕之はその時ようやく、自分が雪穂を本気で愛していたことに気づき、狂気に堕ちていった。
雨の中、彼はひざまずき、涙を流しながら叫んだ。
「雪穂、俺が悪かった……戻ってきてくれ！」
第1話 六本木の夜と誓い
