すまげんちゃんねる
異世界ファンタジー冒険・バトル
2025年11月12日
公開日
3,846字
連載中
「私が神になる時、私の隣で、あなたは何を願うの?」
名門『クロノス・サンクトゥム女学院』
その白亜の学舎の地下には、世界を護るための、あまりにも悲しい秘密が眠っていた。
少女たちは、神の器たる巨大兵器『ガーディアン』と契約し、人々から忘れ去られたことで暴走する異形の存在『忘却神』と戦う宿命を背負う。彼女たちは「巫女」と呼ばれ、英雄として称えられた。
だが、その力の代償は、あまりにも過酷なものだった。
戦うたびに失われていく、人間としての温かい記憶と感情。
やがては心が空っぽになり、魂ごとガーディアンと一体化して新たな神へと変質していく、逃れられない運命――『神化(アポセオシス)』。
これは、そんな過酷な運命に翻弄されながらも、己の全てを懸けて、大切な誰かを守ろうとした少女たちの、壮絶で、そして美しい絆の物語。
太陽のように仲間を照らした少女は、その輝きと引き換えに「喜び」を失い、ただ微笑むだけの人形に堕ちていく。
高貴な義務を背負った女王は、世界を救うために、最も愛する者を犠牲にして神になるという、孤独な決意を固める。
記憶を失い続ける姉のために、妹は自らの魂を削り、失われた世界の景色を描き続ける。
血のつながらない姉妹。主君と騎士。年上の妹と年下の姉。
それぞれのペアが、それぞれの愛の形を胸に、世界の理不尽さに立ち向かう。
少女たちを支えるのは、その心を繋ぎとめる唯一の存在『アンカー』。
世界が、愛する姉(パートナー)を生贄に差し出せと命じる時、アンカーである少女たちは、究極の選択を迫られる。
世界を救うか、たった一人の愛を守るか。
絶望の果てに、彼女たちが見つけ出した答えとは。
魂を燃やす巨大兵器の激闘と、閉ざされた学園で育まれる少女たちの濃密で切ない関係性が織りなす、重厚なダークファンタジー群像劇。
これは、あなたの心に、きっと忘れられない傷痕と、温かい光を残す、魂の物語である。