野花マリオ
現代ファンタジー都市ファンタジー
2025年11月22日
公開日
6,061字
連載中
――あらすじ――**
石山県――かつて“野花と野薔薇”の怪異騒動が語り継がれた土地。
その山中に、ある日突然、青白く揺らめく異世界ゲートが出現した。
石山県庁は「石山歪曲現象」と名づけ封鎖したが、周辺では影が逆さに動く、見えない羽音が聞こえるなど、説明のつかない怪異が連続して発生する。
黒須高校のオカルト研究同好会に所属する高校生――
天真爛漫な少女 星羽根(ほしばね) と、寡黙で鋭い勘を持つ少年 黒牙(くろきば)。
ふたりはゲートの出現以来、夜の校舎や田舎町周辺で囁かれる奇妙な噂を集め始める。
それはもはや怪異談ではなく、異界が現実に干渉している証拠だった。
◆ 異界の住人と同じ形の影を引きずる少女
◆ 天井を這う何かの羽ばたき音
◆ ゲートから漏れ出した黒い牙のような霊獣の目撃談
◆ 星の粉のような光をまとう失踪事件
彼らが語り合う“異界談”は、次第にただの怖い話では済まされなくなり、
話した怪異談が そのまま現実に出現するという因果が浮上する。
やがて、星羽根と黒牙自身にも、怪異の影が忍び寄る。
ふたりは気づく。
――前作“野花と野薔薇”で起きた怪異は、すべてこのゲートからの前兆だった。
そしてゲートの向こうから、ふたつの名を持つ存在がこちらを見ている。
「物語を語る者が、次の怪異を呼び出すのだよ」
星羽根と黒牙は、語れば現れ、黙れば近づくこの“異界談”の呪いを解き、
石山県に広がる幻異の真相に迫るが――
最も恐ろしい怪異は、まだ物語の外側で息を潜めていた。
星花異界談Prologue(体験版)
1話「星花を咲かせた」