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椿眠の庭
椿眠の庭
ティナ
異世界ファンタジー内政・領地経営
2025年11月25日
公開日
2,704字
連載中
京の梅雨は、いつも人を倦ませるようにしつこく降り続く。 古書修復師の佐伯玲司は、仕事場の窓の外で雨に濡れる紫陽花を見つめながら、修復中の和装本を無意識に指でなぞっていた。これは明治時代の随筆集で、紙面からはカビの匂いと時の気配が漂っている

第一章 残香

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