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八雲立つ時計坂の管理人
八雲立つ時計坂の管理人
麦狼
現代ファンタジー都市ファンタジー
2025年12月26日
公開日
8.2万字
連載中
『八雲立つ 時計坂下宿 管理人』 民俗学を学ぶ大学生・六角八雲は、東京の外れ、標高の高い坂の上に建つ古い下宿―― 通称「時計坂下宿」の管理人を務めている。 だがこの下宿、ただの古家ではない。 家鳴り、化け猫、木の神、狸、狐、天狗、そして雨神。 人ならざるものたちが、当たり前のように集い、住み、食べ、騒ぐ場所だった。 八雲は霊感こそ強くないが、 見え、聞こえ、察してしまう男であり、 高名な民族学であった 祖父譲りの民俗学の知識と、淡々とした生活力で、 神と妖怪の「日常」を受け入れている。 雨神である澪と共に暮らし、 食い意地の張ったリス神クヌギに振り回され、 台所番人の化け猫漱石に睨まれながら、 八雲は大学で民俗学を学び、レポートを書き、 そして――神々のいる日常を“観察”し続ける。 それは学問なのか、生活なのか、祀りなのか。 水は命である。 雨は空からの手紙である。 神とは、忘れられたときにこそ、静かに消える存在である。 これは、 神と人の境界に立つ青年と、 少し騒がしくて、少し優しい「非日常の日常」の物語。

第一話 時計坂へ

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