自殺寸前の警備員を救った主婦探偵~赤ちゃんは詐欺の道具だった
えだまめ
現実世界現代ドラマ
2025年12月29日
公開日
2.2万字
連載中
東京女子医療センターで、見知らぬ母親が泣きながら頼んできた。
「2分だけ、この子を見てもらえませんか?」
ネットで見た詐欺の手口を思い出し、私は断った。
代わりに警備員の占部さんを呼んだ。
翌日、その赤ちゃんは死んだ。
占部さんは全国で「殺人犯」として晒され、300万円を請求され、職を失い、妻は倒れ、ネットで人生を破壊された。
もし私が「いいですよ」と言っていたら——
その恐怖と罪悪感が、専業主婦の私を動かした。
赤い長いネイル、タバコの匂い、不自然に静かな赤ちゃん……
違和感の正体を暴くため、私は戦うことを決めた。