鎧塚玲
現実世界現代ドラマ
2026年01月10日
公開日
5,043字
連載中
ヒーローは今日も街を救っている。
ただし――その中の人は、汗だくで酸欠寸前、恋愛偏差値は最低レベルだった。
主人公・真城和也(22)は、売れない若手スーツアクター。
顔出しNG、名前もクレジットの端っこ。
それでも「ヒーローの動き」に人生を賭け、毎日スーツに身体を押し込んで戦っている。
そんな彼が恋に落ちた相手は、
現場に新しく入ったヒロイン女優・一ノ瀬 ひかり。
明るくて距離感バグ気味、誰にでも優しい“太陽系ヒロイン”。
だが問題がひとつ。
ひかりが密かに推しているのは――
和也が演じているヒーロー、《アストラブレイド》本人だった。
「このヒーロー、動きが色っぽくて最高なんですよ!」
「中の人、絶対イケメンですよね!」
褒め言葉が全部、自分に刺さる。
でも正体は言えない。
なぜならスーツアクターは“夢を壊さない存在”だから。
一方ひかりは、
撮影の合間に優しくしてくれる地味なスタッフ・和也にもなぜかドキドキしてしまい、
「ヒーローが好きなのに、別の人が気になる」という三角関係に混乱中。
ヒーローの中で戦いながら、
現実では正体を隠して恋をする。
暑さ・怪我・上下関係・女性スーツアクターとの修羅場、
そして「正体バレ=恋の終わり」という最大の地雷。
それでも和也は思う。
顔を見せなくても、人を好きになっていいはずだ。
これは、
世界は救えても自分の恋だけは下手くそな男と、
“中の人”に恋してはいけないヒロインが繰り広げる、
スーツの中から始まる、不器用すぎるラブコメディ。
プロローグ ヒーローの中の人、ヒロインと怪人に欲を見抜かれる