雷雲に落とされた和算師 ――ニコラ・テスラの弟子、異世界で畑を救う――
麦狼
異世界ファンタジースローライフ
2026年01月23日
公開日
1.4万字
連載中
発明家ニコラ・テスラが建設した巨大送電塔「世界システム」は、実験中の暴走事故により崩壊した。
その夜――
青い雷とともに、ひとりの日本人青年が姿を消す。
帝国大学出身の若手研究助手、蒼海紫電(あおみ・しでん)。
数学と電気工学を学び、テスラの研究を支えていた彼は、事故の瞬間、異世界へと“落とされた”。
目を覚ました先は、剣も魔法も知らない麦畑の国。
紫電が持ち込めたのは、師匠から託された一本の金属製の杖だけ――
それは、帯電体質である彼の命を守る“放電用アース”だった。
剣は使えない。
魔法も使えない。
あるのは、ほんのわずかな放電と浮遊、そして――和算。
数学が軽視され、測ることすら知らない世界で、
彼は数と電気で「衣・食・住」を確保していく。
これは、
魔法ではなく理屈で、
英雄ではなく実学で、
世界を少しずつ変えていく――
明治の学者による異世界サバイバル開拓譚である。