tanahiro2010
現実世界現代ドラマ
2026年01月28日
公開日
1,817字
連載中
原因不明の現象により、人類は突如として塵へと崩壊し始めた。
発生は十五日に一度。消滅する人数は等比数列的に増加し、復活も対策も存在しない。
科学者たちの解析の末に導き出された結論は、あまりに非合理的なものだった――人類は、神の怒りを買ったのだ。
元研究者であり、その対策チームのリーダーだった「僕」は、人類滅亡まで残された一ヶ月を前に、研究の継続をやめる決断をする。
抗えない未来を理解したとき、世界を救う使命も、意味を求める努力も、すべてが静かに色褪せた。
なぜか与えられた郊外の一軒家で、僕はただ日々を過ごす。
洗濯をし、空を見上げ、減っていく人々と街の気配を観測する。
暴動も祈りも絶望も、遠くで起きているだけだ。
世界は確実に終わりへ向かっているのに、天気は良く、洗濯物はよく乾く。
理由も救済も描かれないまま、人類は少しずつ消えていく。
それでも最後まで日常を手放さなかった一人の男の三十日間を描く、
静かな終末譚。