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童ノ宮奇談「辿縁」篇
童ノ宮奇談「辿縁」篇
ワダケンイチ
ホラー都市伝説
2026年02月28日
公開日
4,688字
連載中
母の封じた「記憶」が娘に忍び寄る。 専業主婦の竹原カリンは、娘ミトを連れて駅前のメンタルクリニックを訪れる。 彼女は日々つきまとう、正体不明の気配に怯え、不安に苛まれる日々を過ごしていた。 そして、娘の掌に、彼女が生まれた時から握りしめられている“天狗石”。 それは、かつて自分が逃げ出した実家・塚森家に伝わる神紋が刻まれた石だった。 何度捨てても、必ず戻ってくる。まるで“誰か”が、娘の手に戻しているかのように。 さらにミトは、誰も教えていないはずの真言を口ずさみ、 「おめめが一つだけのお兄ちゃん」と楽しそうに話すようになった。 カリンは語り始める。 自分の家は、神職の家系だったこと。 見えないものが“日常”として家の中を歩き回っていたこと。 家族はそれを当然のように受け入れていたこと。 ただ一人、自分だけが恐怖に震えていたこと。 だから逃げた。 だから忘れた。 だから、記憶を封じた。――そのはずだった。 なのに、娘の誕生とともに、封じたはずの記憶は再び“こちら側”へ滲み出してきた。 まるで、呼び戻されるように。 カウンセラーは静かに言う。 「神様がいるかどうかではなく、あなたが“なぜ”そこまで恐れているのかが問題です」 そして提案される催眠療法。 カリンは、記憶の奥底へ沈む決意を固める。 ※童ノ宮には、語り継がれる怪異がいくつもある。『童ノ宮奇談・読切篇』は、その一つひとつを語り部屋から切り出した独立した怪異譚の記録です。どの篇から読んでも構いません。 ※すべての怪異を通して辿りたい方は、『童ノ宮奇談(総合版)』へどうぞ。

つきまとう影

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