結婚式当日、婚約者に「パパ」と呼ぶ子どもが現れたので婚約破棄し、彼の叔父の車に乗ったら、後日元婚約者が土下座してきました
OOWU
恋愛現代恋愛
2026年03月24日
公開日
2.6万字
連載中
結婚式の最中。五歳の男の子が壇上に駆け上がり、新郎の脚にしがみついて――「パパ」と呼んだ。
その瞬間、私はすべてを理解した。婚姻届はその場で取り下げ、私は彼の叔父の車に乗り込んだ。
後日。彼の母が家に押しかけてきて、私の頬を叩いた。――だから、私は叩き返した。
「無欲で控えめ」と評判だった元カノは、人を使って私に罪をなすりつける。子どもを突き飛ばした犯人に仕立て上げようとしたけれど、私は監視カメラの映像を突きつけた。
それでも終わらない。今度は誘拐騒ぎまででっち上げ、私の“ヴァイオリンを弾く手”を潰そうとしてきた。
――だから私は、全部やり返す。
瓦礫の中から這い上がったその足で、彼女の誕生日パーティーに乗り込み、証拠をテーブルに叩きつけた。
誰もが、私の終わりだと思っていた。
けれど――
宗像千景。
元婚約者の「叔父」であり、すでに一族と絶縁しながらも財閥の頂点に立つ男。
すべてが崩れるその瞬間、彼だけが、いつも静かに現れる。
「……あとは俺がやる」
彼が差し出したのは、相手を確実に刑務所送りにできる、完璧な証拠一式だった。
手の傷がまだ癒えきらない、不安定な夜。それでも彼は言う。
「弾けるようになったら、聴かせてくれ」
――そして。
私の復帰公演は、街を揺るがすほどの成功を収めた。
カーテンコールのあと。
私は演奏に使った弓を、彼の手にそっと預ける。
翌日のトップニュース。
『宗像家当主、異例の同伴公表
相手は――元・甥の婚約者』