鎧塚玲の人間観察記―貴方の「幸せ」は、何グラムの嘘でできている?―
鎧塚玲
文芸・その他ノンフィクション
2026年05月05日
公開日
1,264字
連載中
私は、イタリアンやフレンチを好む。
理由は単純だ。
皿の上の料理が美しいからではない。
その周囲に配置される“人間”が、最も無防備になる空間だからだ。
完璧な装い。計算された笑顔。磨き上げられた所作。
だが、それらはすべて「何かを隠すため」に存在する。
ナイフとフォークの音に紛れて零れ落ちる、本性。
ワインの香りに溶け出す、嘘と欲望。
それらを観察し、解体し、味わうこと。
それが、私のディナーだ。
――さて、今夜はどんな“嘘”が熟れているだろうか。