亡霊の元カノの癒やし方――誤解していた彼に、私の悪夢を自ら葬らせる
月川
恋愛現代恋愛
2026年05月29日
公開日
4.1万字
連載中
小野寺琉璃にとって、死は解放ではなかった。
彼女の亡霊は古い屋敷に閉じ込められ、母に“標本”として大切にされる様子を見、妹の冷淡な自己防衛を目撃し、かつてアイスを渡してくれた少年・霧島海斗の瞳に、もはや冷たい憎悪しか残っていないことも知った。
彼女は伝えられなかった――
あの警察署での一言「彼に迷惑をかけられた」の裏には、母の死をもって脅した策略があったことを。
日記のパスワードが、彼の誕生日であることも、誰にも言えなかった。
しかし、海斗が一抹の疑念から調査を始め、彼の手に彼の誕生日で封印された日記が渡ると、
封印された愛、恐怖、罪悪感が六年の時を越え、彼の心に重く突き刺さった。
憎悪は溶け去り、残ったのは悔恨と胸の痛みだけだった。
彼は彼女のために戦い始める。
母の監視と支配の証拠をすべて見つけ出し、ライブ配信で彼女の名誉を回復させ、海を望む静かな葬儀を用意した。
そして、彼女の名を冠した基金を設立し、同じように苦しむ少年たちを助ける。
葵の魂は葬儀の風に乗って消え、ついに自由を手に入れた。
海斗は「永遠」と書かれた大きなステッカーを胸に、自身の癒しの旅を始める。
一年後、桜祭で、彼は彼女の墓の前に座り、まるで旧友に語りかけるように日常の些細なことを話した。
帰るとき、春風が吹き、桜が雨のように舞う。
新しい生活の可能性が、静かに動き出した。
第1話 私は六年前に死んだ——母は今日、私のためにライブでお見合いをしている