ひっそりと民を救うのは、追放された真の貴族でした ―王太子の病を請け負った母娘の物語―
月城 蓮桜音(つきしろ れおね)
異世界ファンタジー冒険・バトル
2026年06月14日
公開日
6,100字
連載中
【父親に裏切られ、追放された母娘の物語。世界唯一の『分解の奇跡』で子供たちと母を助け、腐敗した者たちを失脚させます。】
「私たちは泥を啜っても、魂まで売ったわけではありません」
病を『剥がし』、他者へ『移す』ことで治癒が成される国。
病を肩代わりする『請け負い屋』は、貧困層が命を切り売りする過酷な生業だった。
スラムの片隅で、死病に蝕まれる母を看病しながら、ひっそりと生きる少女がいた。
彼女の正体は、婿養子の父に実権を奪われ、殺害未遂の果てに追放された真の公爵令嬢。
ある日、国の至宝である王太子が倒れる。
母がその死病を請け負ったのは、報酬のためではない。
「王家を守るのは、真なる貴族の義務(ノブレス・オブリージュ)だから」
しかし、母の命懸けの献身に返ってきたのは、腐敗した役人による裏切りと報酬的横領だった。
母を救うため、少女は禁じられた力を解き放つ。
病を『吸い出し』、無に帰す――世界で彼女だけに許された『分解』の奇跡。
一方、奇跡的に完治した王太子は、自らの身代わりとなった『請け負い屋』の行方を追っていた。
彼が見つけたのは、泥塗れのスラムでなお、王宮の誰よりも気高く背筋を伸ばし、民を救い続ける一人の少女だった。
これは、奪われた誇りを取り戻すため、隠した力で国を癒やし、裏切り者たちに因果応報を突きつける、真の貴族による逆転劇。