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それは、静かなバケーション
それは、静かなバケーション
上野修嗣
現実世界現代ドラマ
2026年07月11日
公開日
708字
連載中
ある中学校の夏休み。新任教師Nは男子卓球部の引率を引き受ける。 この日、Nと部を訪れた女の子は有希と名乗り、たちまち男子たちをどぎまぎさせる。 Nと有希は事前にグラウンドで会っていた。「ちゃんと上を向いて生きている」と宣言する有希に、Nは承諾。共に男子卓球部に向かったのである。夕暮れの帰り道、二人は再会を誓う。 季節が過ぎ、古いビルの一室では何やらスタッフが会議中。新しい文芸誌のタイトルがなかなか決まらない。主婦でアシスタントを務める春野、教師から作家に転身したN、編集長ゴンザレスの三人は意見を交わす。「ジャパニーズ路線で」と提案するN。かくして表紙オーディションに現れたのは、高一の有希だった。 有希は事前にNからオーディションの狙いを聞いていた。春野がしっかり対応できているかをチェックするためらしい。窓際でゴンザレスと議論する春野。ゴンザレスには肌の色に強いコンプレっクスがあった。実はNを騙し、作家としての実力を見ることだったと話すゴンザレスに、春野はNから聞いていたと話す。 一方、有希の元に創刊号の見本が届く。有希と書いて「ありのぞみ」、それが自分の本名だと話す。Nは電話口で「為せば成る」と告げる。 アシスタントに春野を採用したその日、編集部は華やいだ。既婚者であるが、指輪を外していた。休憩室に置いた卓球台で、Nと春野は山手線ゲームで勝負する。Nはイタリアンレストランに春野を誘い、夜の通りで束の間の会話を交わす。 翌朝、またも卓球をして遊ぶNと春野。ゴンザレスに渡した原稿は別にあるという。Nは白紙を渡し、自分の思いを自由に伝えてほしいと話す。Nの問いに沈黙する春野は、とりあえず微笑む。 夏の朝、窓の外は驚くほど静かであった。

第1話

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