目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報
夫の冷めた愛に耐えきれず浮気した私――強引な新しい恋人は、まさか冷徹な社長本人だった
夫の冷めた愛に耐えきれず浮気した私――強引な新しい恋人は、まさか冷徹な社長本人だった
ゴドー
恋愛現代恋愛
2026年08月06日
公開日
2.3万字
連載中
新婚初夜。 浅見久は佑希に告げた。 「この結婚に愛情は必要ない」 「お互いに干渉せず、それぞれの生活を送ればいい」 それからの日々。 彼は朝早く家を出て、夜遅く帰ってくる。 妻の誕生日さえ、覚えていなかった。 佑希は思っていた。 この冷たい結婚生活の中で、私は一生を終えるのだと。 ――そんな時。 一人の男が彼女の前に現れた。 自分を「久の従弟」だと名乗る男。 その顔は、久と瓜二つだった。 けれど彼は違った。 優しい眼差しで佑希を見つめる。 不器用ながら、彼女のために海老の殻を剥く。 温泉では、そっと彼女の後頭部を支えながら口づける。 佑希は、少しずつその優しさに惹かれていった。 彼女は思った。 これは冷たい結婚生活に、運命が与えてくれた贈り物なのだと。 ――けれど、彼女は知らなかった。 すべてが、仕組まれたものだったことを。 そしてついに。 佑希は勇気を出して、その男の正体を調べ始めた。 しかし―― 戸籍には彼の写真が存在しない。 卒業アルバムにも、その姿はない。 そして久の母親は、はっきりと言った。 「久は一人っ子よ」 その瞬間。 すべての真実が明らかになった。 最初から最後まで―― 存在していたのは、一人だけだった。 冷たく距離を置く夫。 そして、優しく愛情を注ぐ“従弟”。 その二人は、同じ人物だった。 彼は別人のふりをして彼女に近づいた。 ただ確かめたかったのだ。 肩書きも、立場も、何もかも捨てた時。 それでも彼女は、自分を愛してくれるのか。 真実が明かされた瞬間。 佑希は彼の頬を叩いた。 けれど、彼は避けなかった。 ただ赤く潤んだ瞳で、震える声を絞り出した。 「殴ってもいい」 「でも……君だけは、俺のもとから行かないでくれ」

第1話 寝転がるまで、あと一年のカウントダウン

loading