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いじめられっ子を殴ってはいけない ~鍛えられない人体の弱点を知り尽くした俺のこっそり無双~
いじめられっ子を殴ってはいけない ~鍛えられない人体の弱点を知り尽くした俺のこっそり無双~
早田 陣
現実世界青春学園
2026年08月22日
公開日
1.1万字
連載中
いじめっ子は、殴る前に右肩が上がる。 久世蓮が見ているのは、いつも拳ではない。 上がる肩。 乱れる呼吸。 踏み込む足。 汗の量。 殴られても、殴り返さない。 倒されても、怒らない。 だから誰もが、蓮を弱いと思っている。 蓮の家は、商店街の端にある昔ながらの薬局。 久世家には代々、人の身体を知り、守り、時には危険から身を守るための知識が受け継がれてきた。 筋肉は鍛えられる。 だが人間である限り消せない身体の反応までは鍛えられない。 蓮を殴ったその日の放課後、いじめっ子の右手に異変が起きる。 「最近、握りづらくない?」 なぜ知っている。 殴った本人だけが、蓮を見る目を変えていく。 それでも教室では、久世蓮は今日も「殴られて何もできなかった奴」のままだ。 彼を守ろうとする少女。 「男なら殴り返せ」と怒る不良少女。 彼の行動を観察し続ける女生徒。 そして、彼が隠しているものへ興味を持つ女性の先輩。 やがて相手は、学校のいじめっ子から街の不良、悪徳業者、そして裏社会の犯罪者へ。 それでも蓮は、最後まで自分が強いとは言わない。 誰も、彼が勝っていることに気づかない。 ――殴った本人を除いて。

第1章 殴られる少年

第1章 殴られる少年

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