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姑に一億円を渡され、「ゲイと誤認した夫を振り向かせて」と頼まれたけど、彼は最初から私に一目惚れだった
姑に一億円を渡され、「ゲイと誤認した夫を振り向かせて」と頼まれたけど、彼は最初から私に一目惚れだった
ネコビョウキ
恋愛現代恋愛
2026年08月24日
公開日
2.6万字
連載中
野沢絵美の人生は、池袋駅東口のたこ焼き屋台で穏やかに続いていた。そんな彼女の前に、一台の黒い高級車が現れ、港区の最上階マンションへと連れて行かれるまでは。川畑夫人が彼女に差し出したのは、一枚の小切手――一億円。条件は、自分の息子をもう一度「女性を好きになれる男」にすることだった。 絵美はそのお金を受け取った。彼女は簡単な取引だと思っていた。彼に近づく、誘惑する、任務を果たす、そしてお金を受け取って去る。 ただそれだけのはずだった。けれど、川畑明は絵美が思っていたよりもずっと手強い男だった――彼は一目で彼女の目的を見抜き、バーの裏路地で彼女を壁際へ追い詰め、冷たく言った。「俺のことに、他人が口を出す必要はない」 絵美は、杉本が一人で彼女を呼び出し、丁寧な口調で最も残酷な言葉を告げるなんて思ってもいなかった。「君は彼にとって、一枚の契約書と何も変わらない。母親がもう彼を追い詰めなくなれば、君は必要なくなる」 そして何より予想外だったのは、絵美がようやく勇気を出して彼のもとを離れようとした時、自分の心がもう言うことを聞かなくなっていたことだった。そして彼女が「救わなければいけない」と思っていた男は、最初から彼女が想像していたような人ではなかった。 川畑明は、愛というものを知らなかった――彼の両親は政略結婚の犠牲者で、二十年もの結婚生活の中で一度も「愛している」と言葉にしたことがなかった。 それでも彼は、彼女が香菜を食べられないことを覚えている。濡れた髪を乾かしてあげる。スーパーでは彼女の好きな食べ物を真剣に選ぶ。彼女が眠った後、こっそり寝顔を見つめる。彼女が怒った時には仮病まで使って戻ってきてもらう。そして、すべての真実を知った彼女の前に跪き、こう言う――「愛なんて信じなかった俺が、君なしではいられない男になった。俺の妻になってくれ」

第1話 たこ焼きを焼いていたら拉致された

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