結婚詐欺男を捨てたら、車椅子の御曹司と再婚しました
くるみ実
恋愛結婚生活
2026年08月28日
公開日
3.1万字
連載中
大樹と結婚して三年目、星乃はようやく、この結婚が周到に仕組まれた嘘だったことを知る。
母親が危篤に陥ったとき、大樹は星乃をためらいなく置き去りにし、愛する未月を救うために駆けつけた。
そして母親が亡くなったその日、大樹は未月の前にひざまずき、公然と愛を告白する。
その瞬間、星乃は初めて、彼が本当に愛していた相手が誰なのかを知った。
大樹が星乃と結婚したのは、彼女が従順で物分かりがよく、思いどおりに操れる駒だったからにすぎない。
そして事実、星乃は十分すぎるほど聞き分けのいい妻だった。
この結婚が嘘だと知っても、大樹には何ひとつ悟らせなかったほどに。
だが大樹は知らなかった。
星乃がすでに、彼の車椅子の弟と結婚していたことを――。
星乃と右京が結婚式を挙げた日、世界中が二人に惜しみない祝福を送った。
ただ一人、大樹だけが目元を真っ赤にし、星乃の前にひざまずく。かつての妻が自分の弟と結婚したという現実を、どうしても受け入れられなかった。
星乃は無言で一歩後ろへ下がる。すると右京は彼女の腰をぐっとつかみ、力強く抱き寄せた。
「身の程をわきまえろ。星乃は俺の妻だ」