ふにゃこ
ミステリー推理・本格
2026年08月29日
公開日
5.3万字
連載中
「鏡子さんは感情が見える。」
そんな噂が広まる漆原高校で、誰からも恐れられ孤立している少女・**灰葉鏡子**。
彼女に見えるのは、人の表情ではない。窓ガラスや水たまり、鏡など、"映るもの"に映し出される本当の感情だった。
ある日、鏡子と一度だけ言葉を交わしたクラスメイトが屋上から転落死する。
「死にたい」と思っていたはずの少年は、最期の瞬間には「助けて」と叫んでいた――。
その矛盾した感情を見抜いた鏡子だったが、彼を救うことはできなかった。
事件を担当する若手刑事・**和歌浦**は、「感情が見える」という鏡子の言葉を荒唐無稽だと切り捨てる。しかし、少年の残した爪痕やスマートフォンのメモ、そして鏡子だけが知る"最後の感情"が、彼の死の真実を少しずつ浮かび上がらせていく。
「誰にも見つけてもらえなかった感情を、私は見つけたい。」
証拠ではなく、人の心を手がかりに真実へ辿り着く少女と、現実だけを信じる刑事。
これは、亡くなった人の「本当の願い」を救い、残された人の心をほどいていく、切なく優しい感情ミステリー。