夫との結婚が偽物だったので、五百億円を相続して御曹司と再婚します
小林はく
恋愛現代恋愛
2026年08月31日
公開日
16.8万字
連載中
二十五歳の誕生日、私は「夫と結婚していなかった」と知らされた。
五年間愛し合い、半年前には軽井沢で結婚式まで挙げた九条遼。婚姻届も彼が提出し、受理証明書まで見せてくれた――はずだった。
ところが区役所に残っていたのは、婚姻届どころか、受理された記録すらゼロ。
呆然とする私に、さらなる悪夢が襲いかかる。
大阪へ出張したはずの遼が、東京で交通事故を起こしたのだ。
しかも彼のロールス・ロイスから一緒に救出されたのは、海外から帰国したばかりの元恋人・神崎絵里。
さらに絵里の裏アカウントには、遼と思われる男とのキス、抱擁、ホテルでの写真が何年分も残されていた。
私が妻だと思っていた半年間は、一体何だったの――?
五年間の愛さえ信じられなくなったその日、亡き両親の遺言執行人を名乗る弁護士から一本の電話が入る。
「あなたが相続する遺産は、総額五百億円を超えます」
ただし、すべてを相続するには条件があった。
――鷹司ホールディングス会長の長男、鷹司礼人と結婚すること。
偽物の夫に捨てられた誕生日。
その日から私の人生は、誰も想像できない方向へ動き始めた。