記念日に元彼から「夫に寄生する妻」と蔑まれた私は、その日のうちに長年私に片想いしていた財閥御曹司と電撃結婚した
散歩拒否
恋愛結婚生活
2026年09月08日
公開日
3.5万字
連載中
交際三周年の記念日。花房結衣は、自らデザインしたペアリングを心を込めて用意していた。
けれど待っていたのは、恋人・榊原佑樹からの音信不通だった。
個室の外で、彼女は自分の三年間の尽くしを「ベタベタしていて、自分の意思がない」と貶める彼の言葉を、直接耳にしてしまう。
さらには、彼は周囲の人間が彼女を「寄生妻」と呼ぶことさえ黙って見過ごしていた。
その隣では、彼の秘書が「不意のキス」という一件のせいで、顔を真っ赤にしている。
匿名掲示板には嘲笑が波のように押し寄せ、かつて彼女が大切にしていた栗やスイーツまでもが、男に依存している証拠として槍玉に挙げられた。
その瞬間、結衣はドアを開けて問い詰めようとはしなかった。
ただ、そこにあったすべての声を録音し、すべての証拠を保存した。
そして、意味を失ったペアリングを、三年間の想いとともにゴミ箱へ捨てた。
彼女は、連絡先の奥深くに眠っていた一つの番号に電話をかける。
電話の向こうにいたのは、かつて正式な顔合わせの席で、ただ一言「決定権はあなたにある」と告げた男だった。
結衣は尋ねた。
「結婚する?」
その瞬間から、元彼の世界は崩れ始めた。
そして彼女の新しい人生は、始まったばかりだった。