あらすじ
詳細
交際三周年の記念日。花房結衣は、自らデザインしたペアリングを心を込めて用意していた。 けれど待っていたのは、恋人・榊原佑樹からの音信不通だった。 個室の外で、彼女は自分の三年間の尽くしを「ベタベタしていて、自分の意思がない」と貶める彼の言葉を、直接耳にしてしまう。 さらには、彼は周囲の人間が彼女を「寄生妻」と呼ぶことさえ黙って見過ごしていた。 その隣では、彼の秘書が「不意のキス」という一件のせいで、顔を真っ赤にしている。 匿名掲示板には嘲笑が波のように押し寄せ、かつて彼女が大切にしていた栗やスイーツまでもが、男に依存している証拠として槍玉に挙げられた。 その瞬間、結衣はドアを開けて問い詰めようとはしなかった。 ただ、そこにあったすべての声を録音し、すべての証拠を保存した。 そして、意味を失ったペアリングを、三年間の想いとともにゴミ箱へ捨てた。 彼女は、連絡先の奥深くに眠っていた一つの番号に電話をかける。 電話の向こうにいたのは、かつて正式な顔合わせの席で、ただ一言「決定権はあなたにある」と告げた男だった。 結衣は尋ねた。 「結婚する?」 その瞬間から、元彼の世界は崩れ始めた。 そして彼女の新しい人生は、始まったばかりだった。閉じる
応援チケット
作品アチーブメント
創意工夫ありし者創意工夫ありし者2026-09-08 18:53ネオ・デビューネオ・デビュー2026-09-08 18:52作者のひとりごと作者のひとりごと
コミュニティ (0)
目次 (10)
しおり
つけとレビュー
フォロー
他の作品
結婚式当日、恋人とロンドンへ逃げた新郎の弟を代役にして政略結婚を続行――最後に私を愛したのは、代役の新郎でした
結婚式当日、恋人とロンドンへ逃げた新郎の弟を代役にして政略結婚を続行――最後に私を愛したのは、代役の新郎でした霜出祐佳里の人生は、結婚式開始まで残り四十七分の瞬間、完全に狂い始めた。 本来の新郎・神風雅人は、恋人を連れてロンドン行きの飛行機へ乗り込み、丸の内ホテルの花嫁控室に彼女一人を残した。 両家が共同で進める物流パーク事業の説明会は、来週に迫っている。 父は心臓検査を終えたばかり。 母は朝から何も口にしていない。 そして財界メディアのカメラは、すでにホテルのロビーへ向けられていた。 彼女には、泣き崩れる時間などなかった。 悲しむための二秒。 三秒目から、彼女は損失の計算を始めた。 一人でこの破綻を処理しようとしたその時――。 空港から呼び戻されたのは、神風家の次男・道博だった。 「君は、ただ公開の場で式を成立させればいい」 彼女は彼の指に指輪をはめた。 彼は彼女のために騒動を抑えた。 そして彼女が、 「政略結婚の条件に、実質的な変更はありません」 そう告げ、婚姻届の配偶者欄を神風道博へ書き換えた瞬間。 誰も知らなかった。 “代役”から始まったこの結婚が、やがて――。 キスひとつで過呼吸になるほど恋愛に不器用な男を、深夜のキッチンで彼女の「火加減、ちょうどいいね」という一言だけで耳まで赤くさせる恋へ変えていくことを。 契約書の第一条に記された期限は、三年間。 けれど、その線を先に越えたのは――彼の方だった。
ファンリスト