乾為天女
現実世界仕事・職場
2026年09月16日
公開日
3,191字
連載中
都市開発会社で働く有期契約社員・柚莉は、植物や環境を重視する提案を「慎重すぎる」「仕事を遅らせる」と軽視され、過去の案件遅延まで自分の責任として扱われていた。
契約更新への不安から始めた図書館のアルバイトで、柚莉は貸出禁止の郷土資料『星見坂百年誌』と出会う。そこに残された古い水路と湿地の記録は、会社が進める大型再開発計画の前提に疑問を投げかけるものだった。
古資料、行政記録、現地の植物、追加測量、地下水位。柚莉は一つずつ証拠をつなぎ、現行計画に見落とされたリスクを明らかにしていく。しかし計画を止めれば、契約更新だけでなく大型案件そのものを失わせる可能性もある。
黙って従うのか。それとも、自分の専門性を信じ、自分の名前で説明するのか。
誰にも評価されなかった「植物を見る力」を武器に、柚莉は計画を否定するだけでなく、新たな再開発案を提示する。
これは、選ばれるのを待っていた契約社員が、仕事も生き方も自分で選ぶ側へ変わっていく逆転の物語。