3年前、1000万円で彼と別れた私。3年後、姑は1億円で私を呼び戻し、息子の身代わり女を追い出させた
Ruiii
恋愛現代恋愛
2026年09月22日
公開日
2.6万字
連載中
汐里が留学から帰国した時。
幼い頃から一緒に育った幼なじみは、すでに若き社長となり、自分の身代わり女性と熱愛中だった。
二人の恋愛はネット中で話題になり、誰もが「お似合いのカップル」と盛り上がっていた。
そんなある日、彼の母親が汐里の前に現れた。
「一千万円で、もう一度息子のそばに戻ってちょうだい」
汐里は丁寧に断った。
「おば様、ご存じですよね」
「立派な元恋人というものは、死んだと思われるくらいがちょうどいいんです」
まさか、彼の母親が次の瞬間、覚悟を決めたように言うなんて思わなかった。
「一億円なら?」
「……問題ありません。ご期待以上の働きをします!」
年月が経てば物価だって上がる。
あの頃は一千万円で汐里を海外へ追い出して息子から離したくせに、今さら戻ってきてほしいからって昔と同じ金額で済ませようなんて。
そんな話、あるわけがない。
帰国後。
聖司は知らないふりをした。
恋人の摩耶は目の前で微笑みながら挑発する。
「私たち、本当に似てるよね」
高校時代。
九条聖司は毎日、桐生汐里の机の中へ薔薇の香りがするラブレターを入れていた。
年月が過ぎ。
汐里は一流のジュエリーデザイナーになった。
彼女の代表作「薔薇詩」の原点は、あの頃受け取った何通もの手紙だった。
けれど、帰国後に舞い込んだ最初の仕事は、まさか九条望司からの依頼だった。
彼は汐里に、自分の身代わり恋人のための交際記念ジュエリーをデザインしてほしいと言った。
「『薔薇詩』をテーマにしてくれ」
彼は知らなかった。
その作品に込められた想いが――
本当は、彼自身へ贈られたものだったことを。
そして今、彼はその薔薇の詩を、新しい恋人へ渡そうとしていた。