元夫に殺されて生まれ変わった私は、極道の若頭に救われて元夫に復讐します
月姫乃 映月
恋愛現代恋愛
2026年09月26日
公開日
2,379字
連載中
十二月の深夜二時。気温は六度を下回る寒さの中、私は素足のまま必死に彼から逃げていた。
足の感覚は既に無くなり体力も限界を迎えていた。けれど走る事をやめることはできない。止まる事は死を意味するのだから。
遡ること少し前。私は珍しく深夜に目を覚まし、お手洗いに向かった。
お手洗いを終えた後自身の部屋に戻る途中、ふと夫の部屋の隙間から明かりが漏れているのが目に入った。電気をつけたまま眠ってしまったと思った私は電気を消しに行こうと部屋の前に向かうと微かに夫の声が聞こえてきた。
夫は日本でも有数の財閥。神崎グループの御曹司である神崎蓮司。
何か仕事の通話をしているのだと思いそのまま踵を返そうとした時、私の耳に思いもよらない言葉が聞こえてきた。
「ああ、殺しても構わない」
「ああ、その事なら問題ない。明日の深夜3時に指定した港に連れていくように手配済みだ。ああ、若い社長令嬢だ、高く売れる。ミスはするなよ。ミスしたらお前の組も潰すからな」
「若い女は需要が高いからな。それに加え容姿端麗だ。五十億……いやもっと行くだろうな」
考えたくもない。考えられるわけがない。
けれど何度思考を巡らせても何の話をしているのかは一つしか思い浮かばい。
――人身売買。
夫は裏社会の人間と繋がっていた。
そして盗み聞きをしているところを夫に見つかった私は無残にも夫の手によって始末された。
けれど私は再び目を覚ます。だけど声色や身体はどう考えても前の自分じゃない。
私は今まさに人身売買にかけられている一人の社長令嬢に生まれ変わった。
第二の人生、必ずあの男に復讐をする。