一ノ瀬 彩音
恋愛現代恋愛
2026年10月02日
公開日
7,551字
連載中
高校教師・橘遥は教え子である篠原奏から執拗な視線を感じていた。
卒業式の日、奏は遥のマンションの前で待ち伏せしていた。
「先生、やっと自由になれましたね。もう、誰にも邪魔させません」
奏は遥の生活に溶け込んでいく。
朝は目覚ましより早く起きて朝食を作り、夜は玄関で帰りを待つ。
最初は教師としての責任から突き放そうとした遥だったが、誰にも求められたことのなかった心の隙間を奏の狂おしいほどの愛情が埋めていく。
「先生のためなら、何だってできます。犯罪だって」
奏の言葉は冗談ではなかった。
遥の元恋人に送られた脅迫状、職場で起きた不可解な事故、すべての裏に奏の笑顔があった。
逃げようとするたびに奏はより深く遥を縛りつける。
これは愛か、それとも。
溺れるように堕ちていく、ふたりだけの歪んだ楽園。