目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報
12年後の私からの電話――このままでは彼の百億を支える名もなき家政婦になるという。今世、私は資産百億円、彼は一文無し
12年後の私からの電話――このままでは彼の百億を支える名もなき家政婦になるという。今世、私は資産百億円、彼は一文無し
渡辺すず
恋愛現代恋愛
2026年10月10日
公開日
3万字
連載中
深夜、篠宮望のもとに、12年後の自分から電話がかかってきた。 電話の向こうの彼女は、鷲尾望と名乗った。肩書きもなく、収入もない。 彼女が独自に開発した「望月モデル」は、夫の鷲尾悠真の製品になっていた。 35歳になった彼は総資産百億円を築いていたが、株主名簿に彼女の名前はなかった。 一方、今の鷲尾悠真は、白坂柚希のラテをオーツミルクに変更することは覚えているのに、そばアレルギーのある望には、早朝から会社全員分のそばを買いに行かせていた。 今度こそ、篠宮望は秘書契約書にサインしなかった。 彼は彼女には技術部門に入る資格がないと言った。だが、彼女は一流企業からアルゴリズム開発職の採用通知を手に入れた。 彼は「望月モデル」を盗用し、一億円の資金を調達した。だが、裁判所は彼の製品の運用停止を命じた。 彼は、彼女は自分と別れたら何も成し遂げられないと言った。だが、彼女の会社は上場した。 本来の未来では、彼は資産百億円を持ち、彼女には名前も立場もなかった。 今世では、彼女が資産百億円を築き、彼の会社には抜け殻だけが残った。 鷲尾悠真は彼女につかみかかり、叫んだ。 「あの未来は、本当なら俺のものだったんだ!」 篠宮望は一歩も退かなかった。 「私のモデルがなければ、あなたは最初の投資すら受けられなかった」

第1話 姓を失った未来

loading