私を庶民だと思った彼氏は、自称お嬢様の同僚に乗り換えた。だが彼女は偽物の令嬢で、ホテル一棟まるごと私の家のものだった
Sol
恋愛現代恋愛
2026年10月16日
公開日
2.2万字
連載中
「一度くらい、私の気持ちも考えてくれない?」
彼氏の相田翔はそう言い放つと、私が彼のために手に入れた晩餐会の招待状を放り出し、女性同僚の誕生日パーティーへ行ってしまった。
その同僚は、自分の兄が財閥の社長で、一言頼めば彼の就職先だって用意できると豪語していた。
私は彼に教えなかった。その晩、彼が会うはずだった相手は、グループの会長である私の父だったことを。
彼女は、私がこんな高級ホテルに来たことなどないはずだから、せいぜい働きに来たのだろうと嘲笑した。
ところが、ホテルの支配人は皆の前で私に深々と頭を下げた。ホテル一棟まるごと東雲家の所有だったのだ。
彼女は、ホテルの前に停まっていた高級車を、父親から贈られた誕生日プレゼントだと言い張った。
しかし、運転席に乗り込んだのは私。彼女は道端で配送料を支払い、電動自転車を受け取った。
さらに彼女は、財閥の社長は自分の兄だと吹聴していた。
だが、その社長は皆の前で彼女にこう告げた。
「今後、私の立場を利用して、そのような質問に答えることはお控えください」
その後、前の彼氏は就職活動を始めたものの、グループ傘下の企業から門前払いされた。
そして、あの財閥の社長は――私の恋人になった。